シューベルト「冬の旅」ノート   見上潤
2004年5月26日 開始

 2004年6月23日(水)

 毎月1回の練習でもなにがしかの事が積み重なっている。これで毎年1回演奏会ができれば最高!!! 早速、2005年2月5日(土)午後に本番を設定する。およそ8ヶ月弱。できれば歌詩も音楽もすべて暗譜して本番にのぞめればかなり幸せだ。1ヶ月に3曲のペース、いや、1週間に1曲のペースで暗譜すれば余裕だ。気になる曲からなんとかしていこう。まず Tauschung が気になる。
 この「冬の旅」プロジェクト、ライフワークにして、死ぬまで続ける・・・そうしたら、あと何回できるだろうか?

 2004年5月28日(金)

 全体はいくつかの部分に分けてグルーピングできるのだろうか? 二つに分けて12曲ずつ、三つに分けて8曲ずつ。調性と終止から考えてみることにしようか。そうすると、第8、16曲が変終止で終わっている。もしかしたら8曲ごとに分けることができるのではないか? 演奏時間はおよそ、30分・20分・20分の合計70分(1時間10分)になる。持久走だ。  また、調性から考えるとさらに4曲ごとの6部分に分けることもできそうである。

番号 調性
(原調)
d:
(1,18曲)
a:
(2,24曲)
終止 拍子 速度 表題 邦題 キーワード    
1 d: T W GS 2/4   おやすみ 旅、野獣、犬    
2 a: X T GS 6/8 急速   風見鶏 金持ち    
3 f:

−V

−Y GS 2/2 遅すぎず   凍る涙      
4 c: −Z −V GS   急速   かじかみ 凝固    
5 E: +U +X GS     菩提樹 自殺への誘惑    
6 e: △U X GS     あふれる涙      
7 e: △U X GS    

川のそばで

     
8 g: W −Z PS   速すぎず   顧みて      

9 h: −Y △U GS     鬼火      
10 c: −Z −V GS     憩い      
11 A: +X +T GS   動-速-緩   春の夢 花、小鳥、雄鶏、木の葉    
12 h: −Y △U GS     孤独      
13 Es: Np. DM. GS   やや速   郵便 馬車、ホルン    
14 c: −Z −V GS   やや緩   霜頭 老人    
15 c: −Z −V GS   やや緩   カラス      
16 Es: Np. DM. PS   速すぎず   最後の希望 木の葉    

17 D: +T +W GS 12/8 やや緩   村で    
18 d: T W GS 4/4 急速、しかし力強く   嵐の朝 戦争、炎    
19 A: +X +T GS 6/8 やや速 Täuchung   1 040624
20 g: W −Z GS 2/4   道しるべ      
21 F: V Y GS 4/4 特緩   はたごや 墓場    
22 g:

W

ーZ GS 2/4 急速、力強く   勇気 空元気    
23 A: +X +T GS 3/4 遅すぎず   幻の太陽 幻日    
24 a: X T 保続音 3/4 やや緩   老楽手      

  2004年5月27日(木) 「おやすみ」

 ピアノ伴奏でテクニック的に大変なのはNo.4,8の2曲。いつになったらきちんと弾けるようになるだろうか? N0.1 " Gute Nacht "は飽きないように弾くのが困難だ。うまくいかないと、自分で弾いていていやになってしまうほどだ。この曲の「旅への歩み」は宗教的でさえある。聞こえるだろうか?教会のコラールが・・・
 シューベルトの音楽は不思議なところがある。その表現はいたってシンプルだ。素朴であり、もしかするとあまり「お洒落」とは言えないかもしれない。だからこそ、へたくそにやると果てしなく「聞けない」演奏になる。素朴な中に高貴な精神がある。それを生かさないといけないんだと思う。

  2004年5月26日(水)  「うどんすき」

 この作品に取り組み始めて間もなく1年半がたとうとしている。毎月バリトンの長山氏と練習をするたびに面白くなってくる。練習と言っても、毎回二人とも黙って練習室に入り、黙って前奏を弾き始め、黙って最後まで24曲、1時間10分演奏し、練習終了後黙って近くの「三国一」といううどん屋に入り、長山氏は焼酎の水割り、自分は紅梅サワー、そしてさらに寡黙になってしまうほどあまりにも美味い「うどんすき」を食べる。こんなルーティンが、この間すっかり定着した。
 音楽に言葉はいらない。音楽で話せばいいのである。

ドルチェカント研究会

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