「なーケンちゃん1弦のEの音ちょうだい」

「お、キー合わせか」

「うん。うまく合わんー」

「へー珍しいこともあるもんだ」

「ケンちゃんが歌うことの方が珍しいやん」

「まーな。かっこいいやろーオレ」

「ハイハイ、、、」


向こうではテッちゃんとユッキーが練習してる。
あの2人は問題ないだろうけど。

うっわテッちゃん弾きすぎ。ホンマ手加減を知らない人やなぁ。
真面目すぎて空回りして、自分を傷つけてしまうのに。
ユッキーは見た目なんもかわってない。
淡々としてるけどやっぱり内に秘めているものは大きい。
思い思いに各自が各自の音を出してる
この空間がキモチイイと思った。

2年半、長い間休んだだけあるよ。


「じゃあそろそろ合わせようか」

「ふぁい。何からやる?」

「あー、、ハイドの好きにしていいよ」

「んーっとじゃあ『LOVE FLIES』で」

「オッケ。ケンちゃんとユッキーもそれでいいやろ」

彼らは静かに、でも力強く頷く。


始まっていく日々に餞のキスを!


この人たちとバンドを組んでる。その事実だけでいい。それだけでいい。