遠くで不穏な音が鳴り響いている。
小さな頃からこればっかりは怖くて、
いつも服のすそをギュッと握りしめていた。
今でも心中は穏やかではない。


「うわっ光ったー!」

「おーすげー」

さっきからハイドとケンちゃんは子供のように雷を見ては、はしゃいでる。
カミナリのどこがおもしろいんだか僕には理解できない。
恐がりのユッキーはそんな2人に時折微笑みながら雑誌に目を落としている。

「稲妻だ!今のそうだよね。」

「キレェーに走ったな」

「テッちゃん!すごいよ、稲妻が走ってる!」

「ふぅーん、、、」

「わ、何その反応。やぁーなカンジっ」

「興味ないもんはしゃあないやろ」

「えー、、空をまっぷたつにキレェに割ったのにぃ」

ハイドはまだなんかぶつくさ言ってる。あんたはガキか。


なんとなく窓辺に近寄ってみた。
雨の降り具合が酷くなってきている。
このままじゃ帰れなくなる可能性も出てきたな。

「コレ、、やばいんちゃう?」

「何が?」

「雨。帰れなくなるかもしれへん」

「えーそんなんイヤや」

「ならレコーディングに集中せえよ」

その時今までにない光度で部屋が照らされた。
数秒ののち、大きな音が轟く。


「うぎゃあーーー!!」


あまりにも突然大きく鳴るものだから思わず叫んでしまった。
隣にいたハイドは耳に手を当てながら顔をしかめている。
それは他のメンバーも同じことで。

「テッちゃんうるさいー。ガキんちょじゃあるまいし叫ばんとって」

「テツくん、雷キライなの?意外だねー」


あぁもう。
3人の顔がニヤけてる。
この先一週間はおもちゃにされそうです。