反射の青の中へと深く、深く沈んでゆく。少し温かな水は僕の肌を優しく
包み込みながら美しくきらめいている。陽がゆっくりと差し込んで、キレイだ。


僕のカラダに抵抗するものなどない。始まりの場所に溶けこんで、こぼれる
吐息はガラス玉のよう。ループしてはすぐに消えてゆく。

なんて美しいのだろう。手首や首筋から流れる紅は不安定な螺旋を描く。
薄まった緋色にシンパシーを感じて、ただ落ちてゆくばかり。


さぁ帰ろう。このカラダが欲するままに堕ちてゆこう。
闇に染まる緋色はさぞ美しかろう。

翼を描きながらあの場所へのレクイエムを唄う。全て壊れたなら 同じことだ。
君の価値観はくだらないね。イノセントをもって僕を殺めるんだ。
その笑顔を壊してやりたいの、わかる?わかるわけないよね。

でもね君程度の人間なんかのために僕のこの手を汚したくないんだ。
だから静かなる世界の住人になることに決めた。そこはなによりもうつくしい世界だ。


誰よりも美しい死に方で、僕は逝く。


捨てられないしがらみなんてない。僕を決めるのはいつだって僕だ。
他人の下した評価を自分だと思ってるの?それが自分? バカだね。
愚かすぎて涙が出るよ。
それこそ価値がないことだっていい加減気付いたらどうなの。


緋色と青色に染まり堕ちてゆくこのカラダはまるで色づいた花のようだ。


冷たい狂気の中にだけ咲く、花。 異常な朝が明けてゆく。