DAYDREAMING PICKUP DISC #01 (MAY-AUG 2003)




03.08.06 ON SALE
The Miceteeth "MEETING" (P-VINE) PCD-5853
シングル"ゴメンネベティ"で一躍話題となった大阪の若手スカバンドThe Miceteeth待望のフルアルバム。 大阪にはDETERMINATIONSという大横綱がいるし、マイスティース自身自分たちのことをデタミの二番煎じと言われても構わないと言っているのだが、 それも自分たちに自信があるからこそ言えることだというのがアルバムを聴くとよく分かる。 やっていることはオーセンティックなスカなのだが、これまでのスカバンドになかったSOMETHING ELSEが確実にあるのだ。 そのSOMETHING ELSEを上手く言葉に出きないのだが、最も近いのはモダンという言葉じゃないかと思っている。 かつて浅草や通天閣が若しくは昭和30年代という時代が持っていたバタ臭さも残るモダンさ。その匂いと輝きが狙っているのでなく自然に滲み出ている。 一曲目からどこかで聴いたことがあるようだけど、これまでどこにも無かったようなスカ・ナンバーが並ぶ。 特に先行シングル曲"One Small Humming To Big Pining <夜明けの小舟>やカリプソ・ナンバーの"Guillty Boy"ミディアム・テンポの"ムーンリバー"なんてマイスティースならではの曲と言えるだろう。 これから先が本当に楽しみなバンドだ。

03.07.24 ON SALE
ROCKING TIME "SUMMER JAMBOREE" (TOY'S FACTORY) TFCC-86136
パラゴンズをカバーしたブロンディーのカバー"夢見るNo.1"で始まるロッキンの夏気分満載な思い切りフルチンなタイトル通りのカバーアルバム。 曲の選び方がうまいなぁ。RCの"ありふれた出来事 Part.2"(アルバム「MARVY」収録)なんてオリジナルかと思えるほどロッキン的な曲だし。 "椰子の実"なんて何年ぶりに聴いたんだろう。"Unexpected Place"のように原詩のまま歌われる曲もあるけど、出来れば全曲"Country Living"のように今野訳による 日本語歌詞で聴きたかったところ。ロッキンの魅力はロックステディバンドを名乗っているが(名乗ってはないかもだが)オーセンティックの呪縛に囚われていないところ。 僕はオルタナ・カントリーに対しオルタナ・ロックステディーと呼んでいるんだがオーセンティックな部分は押さえつつ今日的な部分もきっちり出したバンド・アレンジ。 その魅力が最も良くわかるのがマーティン・デニー!をカバーした"Quiet Village"だろう。聴く前まではSoul Vendorsのようなスタワン・インスト風のものを勝手に創造していたのだが、 全然枯れてなくクワイエットなんかじゃないギラギラしたエキゾチカ。のけぞりましたですよ。こんな演奏出来るのもロッキンの強み。で、この後に"少年時代"をもって来るとは。 今現在一番のお気に入りが、30過ぎた男達が演奏する"Little Girl Blue"。これには相当胸熱くなるものが。演奏もコーラスも完璧。グッと来ます。是非ライブで聴きたい。 あれ?バンマス十八番の"Jungle Music"は?

NOW ON SALE
V/A "Riddim 20th Anniversary Bring Down Da Riddim" (UNIVERSAL/ISLAND) UICY-4115
RIDDIM編集長大場俊明(敬称略)によるアイランド・セレクション。ダンスホール以降もフォローした選曲がRIDDIM的か。 山名盤を聴いた後だと、とっちらかった印象を持ってしまうが、前半のスライ&ロビーのプロダクション9連発は音楽形態が変わっても何ら変わらぬダイナミズムをレゲエが持っていることが良く分かる。 ブラック・ウフルの"Guess Who's Coming Dinner"12インチバージョン収録は嬉しいです。 グレゴリー"Night Nurse"に始まる70年代後半〜80年代前半にかけてのセレクションを聴くと、この時期のアイランドの充実振りを改めて思い知らされる。 締めはブジュに始まりチャカ・ディマス&プライヤーに終わる90年代後半以降から。バーリントン"Don't Throw It All Away"やはりいい曲だにゃ〜と。

NOW ON SALE
V/A "BLUE BEAT BOP! presents ISLAND Reggae Classics 70's→80's" (UNIVERSAL/ISLAND) UICY-4114
選曲、曲順、ジャケット、ライナー全てにわたりこれだけ監修者の美学を貫いたレゲエ編集盤がこれまであっただろうか。 このアルバムはアイランドのレゲエクラシック集ではなく山名昇(敬称略)が選んだアイランド・レゲエクラシック集なのだ。 収録曲のほとんどが他のCDでは聴けないレア曲レアバージョンなのだが、コレクター的な単なるレア曲集となっていない考え抜かれた流れに唸ってしまう。 デリンジャーに始まる前半部ではパブロ・モーゼズ "Music Is My Desire"にノックアウト!正直パブロ軽く見ていたけどとんでもない間違いでした。 Showcaseスタイルのロングバージョンも是非聴いてみたい。 アルバムのハイライトは続く中盤のリコ4曲。どれも非常にレアな12インチ・シングルでしか聴けなかった曲。 中でも激渋なカッコよさを持つ"TAKE FIVE"と"Soundcheck"は必聴!L.K.Jは12インチシングル収録のダブを2バージョンずつという構成。 ジョージ・デインジャーが絡むアスワド"On And On"まで全く隙のない選曲。ホント凄い編集盤ですよ、これは。 アルバムジャケットのポリスとこそ泥12インチトリミングのデザインも「やられた!」と言うしか無し。 山名節全開のライナーも必読。更に使用レコードやCD全てのジャケを並べたデザインもポリスとこそ泥のみ山名訳が載っている裏面も細部に至るまで手抜きのない造りには圧倒されるのみ。 マスターに起因する音質劣化の断り書きですらも「歴史的音源につきノイズ等がありますが、マスターに起因するものですので御了承ください。」という表現。まいりました。 普通に買える時に買っておかないと必ず後悔するだろう一枚ですよ。

NOW ON SALE
ROCKING TIME "少年時代" (TOY'S FACTORY) TFCC-89073
梅雨明け前に一足早く届いた夏の挨拶状。7月24日発売予定のカバーアルバム「SUMMER JAMBOREE」からの先行シングル。 井上陽水カバーのタイトル曲と同曲ピアノダブヴァージョン、それに200年発売の7インチシングル“You Are The Only One”B面のみに収録だったSly&The Family Stone "Everybody Is A Star"のピアニカインストバージョン(シングルとは異なるフルレングス・ヴァージョン)の3曲を収録。 「少年時代」というと誰もが一度は耳にしたことのある曲だと思う。そしてあの曲は井上陽水のあの声があってこその曲と思っていたのだが、大きな間違いだった。 まるでロッキンにカバーされるための曲だったんじゃないかと思えるほどロックステディでの演奏にも今野君の歌にも違和感がないのだ。 ノスタルジックな世界を歌わせたら今や日本一なのかもロッキン。シングルのみ収録のピアノダブも切なくも美しく◎な一枚。

NOW ON SALE
LITTLE TEMPO "MUSICAL BRAIN FOOD" (SPEEDSTAR INTERNATIONAL) VICL-61099
AVEX/CUTTING EDGEからVICTOR/SPEEDSTAR INTERNATIONALへ移籍し心機一転となる2年ぶりのアルバム。 待たされた甲斐あるものとなり、傑作だった前作"KEDACO SOUND"をも凌ぐアルバムとなっている。 漏れ伝わった途中何度かに渡るレコーディングの難航及び仕切り直しを通じメンバーとサポートメンバーというユニット的ありかたからバンド的ありかたへのシフトも プラスに転じたことが音を聞いても良く分かる。全ての楽器が遠慮なく自己主張しながら全体としてちゃんと一つにまとまっているのだ。 自分たちのベーシックな部分を強化した上で新機軸にも望みメランコリックな面とヤンチャな面の双方の魅力が全開となった一大絵巻。 というか冒険活劇。リトルテンポ号という小船に乗りアフリカ中近東カリブを巡り立ち寄った港で恋もしてといったことを想像しながら全曲を通して一つの物語として楽しめるものになってます。 ふっ切れ方が良く分かるアルバムジャケットも◎。パンでKOさせている相手が何であるか想像するのも楽しい。まさにチャンピオン・サウンド。


PICK UP DISC INDEX
HOME