ピアノの正式名称

 楽器の王様と名高いピアノですが、実は「ピアノ」という名称は正式名称ではありません。正式名称は「ピアノ・エ・フォルテ・クラヴィ・チェンバロ」と言います。 直訳するとピアノ(小さい音)もフォルテ(大きい音)も出せるクラヴィ・チェンバロという意味になります。
 14世紀頃、二つの駒の上に張られた弦をタンジェントと呼ばれる別の駒が弦を突き上げることによって発音するクラヴィコードという楽器が誕生しました。 この楽器はピアノと比べると音は非常に小さいのですが、演奏者が打弦した鍵盤を左右にゆらすことにより、ヴィブラートをかけられることができるのが特徴です。
 その後、二つの駒の上に張られた弦をプレクトラムと呼ばれる爪が弦をはじくことによって発音するチェンバロ(ハープシコード)という楽器が登場しました。この楽器は クラヴィコードよりも大きな音が出ますが強弱がつけられないという欠点がありました。イタリア語ではクラヴィ・チェンバロといいます。
 18世紀初頭、打弦機構を持つ新しい楽器、「ピアノ」が発明されました。打弦機構を持つことにより、クラヴィコードとチェンバロの長所(音の強弱と音量)を持つ 当時としては画期的な楽器が生まれたということです。
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