We Will Be Dead Tomorrow/RAGING SPEEDHORN/2002年7月リリース

 レイジング・スピードホーンというイギリスのバンドの2ndアルバム。
 そのサウンドはヘヴィで暴力的。速い曲とミッド・テンポの曲を織り交ぜて、アルバム全体に緩急をつけている。
 メロディは?うーむ。十分なメロディはあるが、ヴォーカルは絶叫咆哮型なので、ヘヴィ・ロックを聴いたことのない人にはキツイものあるかもしれない。

 はっきりいって、はじめてCDプレイヤーにかけたときは、「げんなり」した。
 ヘヴィ・ロックってのは聴くのにエネルギーが要る。音はやかましい。ヴォーカルもやかましい。一般に歌っている、とは認知されないようなヴォーカルだ。これでメロディーが希薄となれば、「メロディーなんぞ要らんわ!!」というエクストリームな奴にしか聴けない音楽になってしまう。

 で、このRSもそんなバンドの一つかと思っていたが、違っていた。
 確かに、その音は暴力的で攻撃的でメロディアスとは言いがたい。
 しかし、だ。そのリズム、ヘヴィなギターのリフそれに身を任せると、隠れていたメロディが体の中に流れてきて、それがうねりだす。それが、とても心地いい。いや、逆かもしれない。必要最小限のメロディーを味わうための、最高のヘヴィネスとリズムが発破のようにブチこまれてくる。ま、そんな理屈はともかく、とにかくカッコイイのだ。

 パンテラほどヘヴィではない。デスメタルほど怪しいわけでもない。ときにメロ・デスのような曲もアルバムには入っているが。そこにはシンプルなロック、パンクが現代のヘヴィネスに身を借りて一気に畳み掛けてきやがる。

 もしかしたらテスタメント、セパルトゥラとかがこの系統の音楽を気付き挙げてきたのかもしれない。でも僕は前二者を聴いたことがないのでないので比較のしようがないなぁ。すんません。
 とにかく、これまで聴いたヘヴィ・ロックの中では聴きやすくて、群を抜いたカッコよさがある。



 しかし、イギリスにもこういったヘヴィ・ロックが生まれる土壌があったんだねぇ。アメリカの専売特許かと思っていたけど。

 そんなRSがなんと「サマーソニック2002」にやってくる!!残念なことに奴らがくる日のチケットは買ってない!うーむ、観たいぞ!奴ら、絶対LIVEじゃ、もっともっとヘヴィで速くてクールなハズだ!!


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