1.honey tongue
2.you know where we all belong
3.need no invitation(demo)
HARDCORE SUPERSTAR "HONEY TONGUE" 2003
 8月21日にリリースのHARDCORE SUPERSTAR(以下、HCSS)の4枚目のアルバム(厳密には5枚目らしい)"NO REGRETS"に先駆けての1stシングル。

 このシングルは、ファンにとっては重要な意味があった(と思う)。もちろんHCSS自身にとっても重要な意味があった(と思う)。
 前作「THANK YOU」は多かれ少なかれ、HCSSのそれまでのファンにとっては「コケた」という印象があったことは確かだろう。今となっては、「そんなこともう忘れたさ☆」みたいな感じでいるかもしれないが、やはり前作は「コケた」のだ。
 「いやいや、そんなことはない。確かに前作はハジけたロック・ナンバーは少なかったが、曲それぞれのメロディーは良かったではないか。それに1曲目と2曲目は『超』が付くほどカッコよかったじゃないかっ!!」とやっち。自身も思うのだが、やはりセールス的に「コケた」のだ。
 よくあるパターンさ。アルバムが出るまでは騒ぐけど、リリースされると、内容が「?」なもんだから、急に誰も何も言わなくなるのだ。アイタタ。自分で言っててイタイぞ。
 だから、やっち。のみならず、HCSSのファンは内心、けっこうドキドキしてたのではないだろうか?「確かに、シングルが出るから騒いではみる。だけど、シングル・カットされた曲がたいしたことなかったらどうしよう〜!」とか皆は思わなかったのだろうか?俺は思ったぞ。


 そんな杞憂を吹き飛ばしてくれたのがこのシングル"honey tongue"である。「ああ、良かった。。。」と胸をなでおろしたHCSSファンは多かったはずだ(て、そんな話、聞いたことないけど。でも俺以外にいてもおかしくないはずなんだが。。。)

 で、中身ですが、前作のミドル・テンポのナンバーが中心だったのが嘘だったかのような、収録されている3曲ともがイキのいいロケンロー・ナンバー。もちろん、どの曲にもHCSSの最大の魅力である、胸に染みる哀愁のメロが盛り込まれているのだ。

 #1のイントロのドラム&手拍子のインパクトは強烈。やっぱ男に必要なのは"honey"なのさ♪という曲だな(笑)。楽器の音は必要最小限で隙間のあるサウンドだが、それでもドラムとベースがそれぞれの役割を果たしていて、ヘヴィかつグルーヴィだ。
 #2は、キャッチーかつ、これでもかと言わんばかりの哀愁のメロディが印象的だ。
 #3は、「ローリング・ストーンズか?!」と思わせるような、乾いた音のギター・リフを刻む音で始まる。ノリがよく、グルーヴィで心地よい。北欧のバンドでありながら、こんなシンプルでクールなロックもできるぜ!と彼らの力量を見せつけられちゃったね。この曲はアルバム未収録だそうな。


 HCSSはデビュー・アルバムの"it's only〜"、日本デビュー作の"bad〜"の頃は、まだまだ荒削り、というよりはハード・ロック的にやかましくヘヴィな音の中で印象的なメロディを絡めてくる、という感じだった。しかし、"thank you"でシンプルでクリーンなサウンド作りに挑戦した。その変化をつまらなく感じたファンもいただろうし、戸惑ったファンもいただろう。しかし、今のHCSSは、それらをうまく融合し、シンプルな音作りの中で持ち味の印象的なメロディを盛り込み、かつ、前作で足りなかった疾走感を取り戻した、という印象をシングルの3曲を聴いて感じた。
 久しぶりに、たった3曲のシングルだが、満足を得られた。アルバムもかなりの仕上がりになったらしい。この期待は裏切られることはないだろう。


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