1.so long,astoria
2.takeoffs and landings
3.in this diary
4.my reply
5.unopened letter to the world
6.the saddest song
7.summer '79
8.the hiro dies in this one
9.all you can ever learn is what you already know
10.the boys of summer
11.radio #2
12.looking back on today
13.eight of nine
14.I won't spend another night alone
15.the saddest song
16.a beautiful mistake*
17.rock'n'roll high school*

*bonus tracks for japan
THE ATARIS "so long,astoria" 2003
〜「哀愁青春パンク・ロック」〜

 巷では「ヤング・パンク・ロック」が大流行だそうな。やっち。はパンクに詳しくないし、「IN ROCK」とか読まないから、それがどんな音楽だかはよくわからない。とにかく、SEX PISTOLESやRAMONESはパンクだよね、くらいの知識しかない。
 とすると、その前提から言えば、このATARISはパンクなの?と思えなくもない。まぁいいや。「パンク」じゃなくて、「ヤング・パンク・ロック」なんだろうから。どちらかというと、ちょい前に大流行した「メロ・コア」とかが少し大人しくなっただけなような気がしなくもないけど。(当時はグリーン・デイ、オフスプリングス、バッド・レリジョンとかがこの範疇だったが、今はこれらも「メロディック・パンク・ロック」の範疇に入れてしまうらしい。メロ・コアは今いずこ。)

 で、ATARIS(アメリカ出身。"so long,astoria"が4枚目のアルバムとなる)のサウンドだが、どちらかというとパンクと呼ぶには忍び難いほど、大人しめのサウンド。Jポップでありがちな「青春ロック」なサウンドである。切なげなメロディー、ジャカジャカとかき鳴らされるギター、歌い上げるわけでもないけど、投げやりではなく、しっかりとメロディーを歌うヴォーカル。そういった意味で非常に聴きやすい。「メタルやハード・ロックはやかましくて聴けないけど、これは聴ける!!」なんて女の子に言われそうだ。
 しかも歌詞も読んでみると色々と自分の過去の思い出と重なってくるようなカンジで(ま、大概は「こういうドラマみたいな青春に憧れたんだよねぇ」という気持ちに重なるだけなんだけど)、歌詞を読みながら聴くとよりいっそうATARISの音楽世界、「哀愁青春パンク・ロック」を楽しめる、ハズ。


 さてさて、このアルバムのハイライトは、なんといっても#10だ。この曲は1984年にヒットしたドン・ヘンリー(イーグルスで「ホテル・カルフォルニア」を歌ってた人ね。)の曲のカバーだ。曲名からしてまさしく「哀愁青春パンク・ロック」の香りがぷんこぷんこだ。
 実はやっち。がこのATARISのアルバムを買ったのも、深夜にやってる洋楽TOP40でATARISのこの曲のビデオ・クリップを見て、そのカッコよさにヤラれてしまったからである。やっち。はご丁寧にドン・ヘンリーのベスト・アルバムも買って原曲を聴いてみた。ATARISは原曲に忠実にカバーしているものの、自分達なりによくアレンジされているなと思う。さすがに原曲は80年代だから、その時代の香り(?)がするが、ATARISは、ロックらしい荒々しいギター・リフ、熱いヴォーカルという特徴を生かしている。見事にハマッている。


 他にも#1、#6、#12など良い曲だ。が、アルバム全体の印象としては、全曲が同じテンポのため、同じような曲ばっかりのような気がして飽きがくる、かもしれない。その中で#10が目立っているため、やはり他の曲の「哀愁のメロディー度」が若干弱いのかもしれない。やはりこれは大御所ドン・ヘンリーの懐の深さか。
 といわけで、ASTORIAはまだまだ中堅格だ。哀愁のメロディーに磨きをかけて、是非とも次回作では、オリジナル曲のビデオ・クリップでノック・アウトさせてもらいたいもんだ。

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