忘れかけたその声は 思い出の彼方へ
こぼれ落ちた涙さえ 空へと溶けてゆく
薄れてゆく感情は 優しさを求めて
届かない
歌声を
奏でる
知性化のバイアスと 偽りのアムネシア
無意識の抑圧は 痛みさえも 透明に塗り替えてゆく
解らないふりを続けていた 防衛機制のペルソナ
気付くこともなく 消えてゆく
忘れかけたその声は 思い出の彼方へ
こぼれ落ちた涙さえ 空へと溶けてゆく
薄れかけた感情は 優しさを求めて
届かない
歌声を
奏でる
馴化への合理化と 渇いたソシオメトリー
自意識の衝動は 静かにただ 穏やかさを演じている
日常の中のコンフリクト 順応へのユーフォリア
交わらないまま 間違えてゆく
忘れかけたその声は 思い出の彼方へ
こぼれ落ちた涙さえ 空へと溶けてゆく
崩れてゆく強がりは 温もりを求めて
柔らかい
歌声に
焦がれる
泣いている
いつかの私
涙の水面
空を映して
差し伸べた手を
握り返して
まっすぐな瞳で
呟くの
-忘れないで 微笑みを-
-捨てないで 涙を-
溢れ出した色彩が 風へと溶けてゆく
色づいてく感情は 輝きを戻して
暖かい
歌声を
奏でる
心理学用語 解説
【知性化】
自我の防衛機制の一つ。自分の中で受け入れがたい出来事、感情、思考、欲求等に対して、知識や知性によって気持ちを
コントロールすること。強い感情に直面することを避けるために、知的な言葉を用いた説明や議論で衝動を統制すること。
【バイアス】
考え方や先入観、また統計データ等で発生する「偏り」や「偏向」。
(例)
「感情バイアス」…感情的要因によって生じる認知と意思決定の歪みのこと。
「バイアスがかかっている」…統計データに偏りがあるために正確な判断が難くなっていること。
【アムネシア】
健忘(英語 Amnesia)。一般的に言う「もの忘れ」から「記憶喪失」まで広く含んで使われる言葉。
【抑圧】
容認しがたい観念や記憶を意識から追い出し、抑制すること。
【防衛機制】
精神的安定を保つために無意識的に起こる、精神的な防衛メカニズム。また、自己を守るために心の中の衝動等を抑える
適応方法のこと。適応機制。
【ペルソナ】
状況や関係、立場等に応じて自分の役割を演じる、外的側面。周囲に適応するための心理的な仮面。
【馴化】
刺激に対する慣れや、環境への適応のこと。ある刺激がくり返されることによって、それに対する反応が弱くなっていくこと。
【合理化】
自分の中で納得できない行動や感情について、理論化して考えることで、自分を納得させようとすること。
【ソシオメトリー】
集団の中での人間関係やパターン等を研究するもの。その測定結果を図にしたものを「ソシオグラム」という。
【コンフリクト】
葛藤(英語 Conflict)。同時に満足させることが困難な複数の欲求や意向によって、なかなか行動を決定できなくなる状態になること。
【ユーフォリア】
多幸感(英語 Euphoria)。強い幸福感や満足感のこと。