エイリアン日記

展覧会の絵 [2002年09月29日(日)]
レコードに付いてくる帯はジャケット全体を見るためにも邪魔ものだし、ほとんどの場合は速攻で外してしまう。ただし、このレコードだけは、手に入れた日以降ずっと付けたままにしている。しかもこの位置に(笑)

これはEmerson Lake & Palmerの『展覧会の絵』なのだが、名古屋に居た頃(中学1〜2年頃)、親戚から何かの記念日にプレゼントとして頂いたものだ。この段階で鋭い人は左の写真を見て話の展開が読めたと思う(汗)。前もって何が欲しいかを聞かれたのでご指名でお願いした1枚だ。間違えてピアノ組曲や管弦楽の方を買ってしまわないようにちゃんと会社名やレコード番号もメモして渡した。

そして迎えた当日、約束通りにレコードを買ってきてくれた親戚の方は、とても嬉しそうに渡してくれた。私は、はやる気持ちを抑え慎重にラッピングを解くとゆっくりとレコード袋から作品を取り出した。2,500円もするアルバムは小遣いの少ない子供にとってそう簡単に買える品物ではない。やった!ジャケットが袋から見え始め、まだ聴かぬ音が頭の中を駆けめぐる。額に飾られた絵は聴いた人達が想像して欲しいというアーティストの思いなんだろうか?ジャケットの中に展示された何も描かれていない真っ白な何枚かの絵。

しかし!次の瞬間、私の目には信じられない光景が飛び込んできた。真ん中の一番大きな絵の額の中に「○○くんおめでとう!」とマジックで書かれた太い文字(汗)、ショックのあまり貧血になり意識が遠のく。青ざめた顔で「ありがとう」と言うのが精一杯だった(笑)。その後、親戚の家で交わした会話はほとんど記憶にない。

自宅に帰り、母から除光液を借りた。無言で消しまくった。おかげで他の絵の印刷された白い部分よりも白くなった(笑)。ただ額の部分まで飛び出したものだけはどうにもならない。額が消えてしまう(笑)。そしてその日以降、帯がこの位置に定着した。ほろ苦い青春の思ひ出。