エイリアン日記

CCCDのお話 [2003年06月19日(木)]
先日、LOOPUS仲間とコピーコントロールCD(CCCD)の話をした。結論から言えばCD-Rとかのコピー品を入手しようがMP3などの音楽ファイルを入手しようが、気に入った作品はちゃんとCDで買うという意見で一致した。いわば作品を買う前の試聴のようなものだということ。

で、CCCDの話なのだが、邦楽のヒット曲がメインで、自分にとってはあまり関係のない話だと思っていた。しかし、最近は洋楽もCCCDで発売されることが多くなり、困ったことになりつつある。問題点は大きく分けて二つ。一つ目は通常のオーディオCD(CDDA)とは規格が違う製品であるために通常のCDプレイヤーでの再生が完全に保証されていない欠陥メディアだという点。二つ目は実際にはコピー可能なメディアなのでCCCD化の本来目的である不正コピー防止に役立っていないんじゃないかという点だ。

一点目は、ちゃんと説明すると長くなるし私も完全に理解しているわけじゃないので簡単に書いてしまうと、Table of Contents(TOC)と呼ばれるトラック数や収録時間などが収録されている情報部分に意図的にエラー情報を書き込むことで、PC上では正確に認識されないようにしているらしい。通常のCDプレイヤーは、ある程度エラー補正を行うことが出来るので再生可能なのだが、大きな負担を与える状態となり機器の寿命や調子に影響があるっぽい。もちろん機種によっては音楽CDと認識してもらえず、再生不可能な場合もある。

二点目は、ネットや雑誌を見る限りなんだかんだでCD-Rのコピー品も作れるしMP3のようなファイル形式にも出来るらしい。その上、CCCDからCD-Rを作成する際にTOCのエラー部分を補正することが可能なので、欠陥品を正常品に改良することまで出来てしまうらしい。まぁ、どんな最新技術を導入しようが、それを破ろうとする輩が現れて技術開発のいたちごっこのような結果になっているんだろう。だから正確に表現すれば「コピー出来ないCD」ではなく「コピーが面倒なCD」ってことだ。

そこで冒頭の話に戻ると、最初っから買おうと思っていた作品やお気に入りのアーティストの作品は、コピーなどで入手したとしても最終的にはちゃんとCDを購入するんじゃないだろうか?逆にCCCD化によって買おうとしていた作品を買わなくなっていることの方が多いんじゃないだろうか?ということだ。うちのような音楽サイトを覗きに来るような方は、大方この意見に近い意見を持っているんじゃないかと想像している。

レコード会社はコピーやネット上での音楽ファイルの流通がCDの売り上げ低迷に影響していると判断しているようだし、音楽ファンは購入したくなるような魅力的な楽曲が少なくなっているから買わないんだと思っている。実際どうなんだか私にはわかりませんが(笑)、どちらも理由になっているように思う。そして、これは想像でしかないんだけど、CD売り上げを浮動的かつ大規模に支えていた人達の中には、コピーやファイルを入手することで満足してしまっている人が結構存在するんじゃないかと考えている。

これにはPCや周辺機器などの低価格化と処理の高スピード化、P2Pと呼ばれるファイル交換、サーバー上からのダウンロードを容易にしたインターネットの高速化も関係していると思う。アナログ回線時には数時間もかかった大容量ファイルも今や数分でダウンロード出来る。

また、CCCD化による購入離れがあることはレコード会社サイドも予想していたはずだ。それでもなおCCCD導入に踏み切ったということは、違法コピーなどによる損害の方がCCCD化による購入控えによる収益減を上回っていると考えたからだろう。

なんだか長くなってきてしまったが、「応援しているアーティストのCDは絶対に買うぜ!」な人や「好きな作品はやっぱオリジナルCDで欲しい!」って人には無縁な世界の話で単なる迷惑物でしかないCCCDなのだが、CD売り上げに流動的に貢献をしているであろう「そこまで思い入れがない購買層」が存在する以上、何らかの方法で違法コピーを抑止する方向に持っていかなければいけないんだと思う。その一案がCCCDであるのだが、結果として従来からきちんと買っていた人が敬遠してしまうという本末転倒な状況となっているようだ。

これらを考えると、音楽メディアとしてのCDDAは既に終焉を迎えつつあるのじゃないかと寂しくなってしまう。今後、DVD-AやSACDなどが主流になるのだろうか?

左は我が家にあるCCCD(汗)。左上はThe Reindeer Sectionの『Son of Evil Reindeer』(cutting edge CTCM 65028)、邦題は『悪魔のトナカイの赤ちゃん』(涙)。「日本盤のみボーナストラック3曲収録」に釣られて買ってしまった記念すべき初CCCD(笑)。右上はSigur Rosの『( )』(cutting edge CTCM 65032)、「日本盤のみ教会で行われるスペシャルライヴの応募はがき付き」に釣られた(爆)。下は椎名林檎の『加爾基 精液 栗ノ花』(東芝EMI TOCT-24942)。海外アーティストと違って避ける手段がない最も恐れていた事態。よりによって林檎とは(号泣)

続くかも。。。