エイリアン日記

雙六エクスタシー其ノ壱(★ネタバレ★) [2003年08月24日(日)]

★ツアー中ネタバレあり★

渋谷公会堂で行われた椎名林檎の約3年半ぶりの実演ツアー「雙六エクスタシー」の2日目に行った。今回のバンドメンバーはベースがお馴染み師匠こと亀田誠治、ピアノがPE'Zからヒイズミマサユ機、ドラムが畑利樹、ギターが平間幹夫、これに林檎が入りバンド名は「東京事変」と名付けられた。このメンツは8月の新宿LOFTにシークレットで登場したのが初LIVEなので、雙六エクスタシーが事実上の新バンドのお披露目ツアーってことだ。それにしても今回のツアーは開催場所がとても偏っている。北から函館、東京(2回)、名古屋、京都、神戸、広島、福岡(2回)、沖縄だ。東西で分けると西の充実ぶりと比較して東は東京と北海道だけ(汗)。キャパを調べたら東日本は3回で6,000人くらい、西日本は7回で15,000人くらいなのだ。最終的には日本武道館(360度全席使用)が追加で発表されたが、人口比やアクセス手段を考えるとまだまだバランスが悪いと思う。当然のように渋公2回分のチケットはFC先行、プロモーター先行で事実上完売してしまい、一般発売分はほとんど残っていなかったという噂だ。

グッズを買うために会場には15時頃到着したのだが、東京はこの夏一番の猛暑でじっとしていても汗が噴き出してくるような暑さ。無事欲しかったものも買えたので涼しいところに避難したけど、実はこれが大失敗だった(涙)。がんがんに冷房が効いた場所で冷たいコーヒーをがぶ飲みしたのだ。一時間ほどして渋公前へ戻り、再び猛暑の中で棒立ちしていたら、暑い→寒い→暑いの連続に身体の具合が悪くなってきてしまった(号泣)。どうにかふらふらしながら席に辿り着いたが、胃は痛いし頭もぼっとしてどうにも調子が悪い。立ち上がったら貧血で倒れてしまうほど絶不調。更に追い打ちをかけるように久しぶりの林檎ってことで緊張まで加わって(笑)、未だかつて経験したことのないようなLIVE前の心身状態に突入してしまった(汗)。今日は着席したまま見学しようと考えた。

前置きが長くなってしまったが、私にとって3年前の新宿リキッドルーム以来の生林檎は、最後はいつ何を見に行ったか思い出せないくらい久しぶりの渋公。そして記憶はあやふやだがきっと初二階席だと思う。定刻を15分くらい押して、今まで流れていた雅楽のようなBGMがシャンソンっぽい曲に変わり場内が暗転する。「うぉぉぉ〜〜!」、結局立ち上がってしまった(爆)。1曲目は何故か前作収録曲でシングルとしてヒットした「罪と罰」。最新アルバム発売に伴うツアーなんだからオープニングはそこから選曲して欲しかったが、LIVE慣れした曲でスタートってことも考えたのかも知れない。ただし、この曲に限ったことではないが、当然のようにアレンジは激変していて、今回のツアーはどちらかと言えばジャズっぽい曲調が中心だ。LOOPUSではほとんどしない服装チェック結果を報告しておくと(笑)、林檎は淡い色系の振り袖のような着物(ステージまで遠く、照明も暗いので色がイマイチわからず。)に赤っぽい高下駄のような草履(ん?逆か?よーわからん)。髪はしばらく前まで金髪だったのがツアー前に黒に戻したようだ。残りのメンバーも全員和装で、さながら歌舞伎の舞台のような雰囲気。ピアノとドラムが一段高い場所にセットされた以外は飾りっけもないシンプルなステージだ。照明もそれほど凝ったものでない。2曲目にもシングル曲が来て、3曲目にようやく最新作『加爾基 精液 栗ノ花』収録曲が登場した。ここから新しい曲が続き新鮮な気分を十分に味わい、「幸福論」のカップリング曲で隠れた(?)名曲「すべりだい」と流れる。林檎の巻き舌も絶好調!

林檎は昔からLIVEでは必ずカバー曲(歌謡曲からパンクまで)を披露している。今回のカバー曲は全部で3曲、うち2曲はカバー集として発表した『唄ひ手冥利』で聴けた曲だったが、初登場だったのが美空ひばりの「港町十三番地」。オリジナルは聴いたことがないけれど、林檎版は二拍子を強調したマーチ状態で結構乗り重視になっているのが良い。この辺りから先は新曲をお馴染みのヒット曲で挟むような選曲でぐいぐい聴衆を引きずり込んでいく。後半「ギブス」、「本能」、「歌舞伎町」と、いかにもな曲が続くところは少し違和感を感じたが、最後を最新アルバムからの先行シングル曲で締めくくってどうにか『加爾基 精液 栗ノ花』のツアーだと言う感じに収まった。

アンコールは2回応えてくれて、1回目では何かと特別な曲「正しい街」も飛び出した(今回はどこでもセットに入っている模様)。この曲の時だけギターを初期の定番Duesenberg社のStar Playerに持ち替えたのも心憎い演出だ。縦長シングル「ここでキスして」のジャケットで抱えているサーフグリーンのモデルだが、おそらくは下克上エクスタシー時に新調した方のギターだろう。結局、最新アルバムの1曲目と最後の曲が演奏されなかったのは残念だったが、LIVE向きではないこのアルバムからの曲も上手くアレンジされていたのが印象的。通常セットに入らなかったその他の収録曲もきっと最終の武道館で演ってくれるだろう(願)。同一会場二日連続で音的にも二日目に行って正解だったと思うことにしよう(笑)。

罪と罰
真夜中は純潔
ドッペルベンガー
おこのみで
意識
すべりだい
黒いオルフェ
依存症
丸の内サディスティック
警告
とりこし苦労
港町十三番地
ポルターガイスト
ギブス
本能
迷彩
歌舞伎町の女王


ミスターワンダフル
正しい街

おだいじに