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ルネサンス世俗音楽について



 15世紀始め、西ヨーロッパには「ルネサンス」と呼ばれる新しい文芸運動が起こり、
音楽の分野にも大きな転換期がやってきた。
 
 それまでは、音楽はいつも教会の中で発展してきた。
ミサや聖務行事の際に「祈り」として捧げられる音楽、つまり宗教音楽が
あくまで音楽の主流であった。
昨今流行した「グレゴリアン・チャント」はまさにそれに当る。

ところが、ルネサンスの時代を迎えると、教化の失墜の影で力をつけてきた
宮廷、貴族、大富豪、あるいは中産階級の市民の間で、
にわかに優れた音楽が生まれてきた。
 彼らは自然、人生、愛といったものから、僧侶への悪口、戦争の光景、
果ては女性の井戸端会議など、身の回りのあらゆる事象を
自由に歌にして楽しんでいた。

 また、活版印刷の発明により、楽譜が数多く出版され、
新しい音楽は急速に一般の人々の間に浸透していった。

 こうした一連の音楽を「ルネサンスの世俗音楽」といい、
とくに、イギリスではマドリガーレ、フランスではシャンソン、イギリスではマドリガル
と呼ばれている。
 各地で名前は異なるものの、演奏形態はほぼ共通している。
基本的に無伴奏の小人数のアンサンブル(各パート1〜2名)で歌われ、
まれにリュートという楽器の伴奏がついたりする。

 ルネサンスの世俗音楽は、およそ1世紀間の繁栄ののち
イタリアのモンテヴェルディが「オペラ」に進化させるなど、また新たな音楽へ
変わっていった。
 同時に、時代もルネサンスからバロックへと移っていく。