Chart Maniacsによる
2006年Chart
座談会


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 2006年度の年末に洋楽好きの人に集まっていただいて座談会を開催しました。今回参加していただいたのは、いぬふくさん、はまべさん、ブッチさん、いのっぴーさん、Lemmonさん、Papayaさん、Iranoさん、Daboyさん、Yamaさんと私MORIの計10人でした。なお、座談会終了後にSakaさんも入っていただきました。年齢も音楽の趣向も違う10人が2006年の洋楽シーンをどう見たのか、ごゆっくりとお楽しみください。

参加者の紹介

MORI (このサイトであるVer.5管理人)
いぬふくさん (Loose Rapサイト管理人 C-1 2006 チャンプ)
はまべさん (Meantimeスタッフ。Breakout担当)
ブッチさん (Letter From Music サイト管理人)
いのっぴーさん (Inoppizmサイト管理人 C-1 2005チャンプ) 
Lemmonさん (The Apartmentサイト管理人)
Papayaさん (初登場)
Iranoさん (初登場)
Daboyさん (AMC、時計仕掛けのグランジサイト管理人)
Yamaさん (初登場 C-1 2006 参加者)


■ いぬふくさんの2006年洋楽シーン

MORI:
本日お忙しい中集まっていただいてありがとうございます。2006年の洋楽シーンを皆さんでちょっと振り返りながら、2007年のヒット予想などをしていきたいと思います。人数も集まっていますのでさっそくですが、各参加者の2006年のベストシングル、アルバムを聞いていきながら進めていきたいと思います。では2006年のC-1でチャンプに輝きましたいぬふくさんから、お願いします。Loose Rapブログでは2006年のベストは発表されてますね。
いぬふく:
慌ててブログをアップしていました。えっと・・ベストシングルはShakiraの「Hips Don't Lie」、アルバムはJustin Timberlakeと最後まで迷いましたがMary J Blige の『Breakthrough』です。今年の洋楽シーンの印象は難しいですね。後回しでお願いします。
MORI:
後回しで良いですよ。はまべさんShakiraはMeantimeのBreakoutでも1位でしたね。
はまべ:
そうですね。実は自分もShakiraの「Hips Don't Lie」がベストシングルですが。
MORI:
Shakiraは前の英語版アルバム『Laundry Service』がフェイバリトだったのでこのアルバムも期待していたのですが、「Hips Don't Lie」で本格的にブレイクしたと見て良いのか・・。2ndシングルが続かないですね。でも「Hips Don't Lie」は今年を代表するシングルだと思います。
いぬふく:
そうですね。あのPV見たさにデラックス盤のアルバムを買ってしまいました。アルバム全体はあまり聴いていないのですけどね。
ブッチ:
Shakiraのこの曲は良かったと思いますね。あとスペイン語のバージョンも。
Lemmon:
ワールドカップバージョン欲しさにシングルを買いました。今年世界中で一番のヒット?
MORI:
そういえば2006年はワールドカップの年でした。Shakiraのヒットってその影響でしょうか。
Lemmon:
どうでしょうか。印象としてはヒットした後に閉会式で歌っていた記憶があります。
はまべ:
Shakiraもそうですが、これを作ったWyclef Jeanがその後に波に乗れなかったのが痛かった。
いのっぴー:
Wyclef Jeanは最近はYing Yang Twinsとやっていますね。
MORI:
Wyclef JeanがブレイクしたFugees復活の噂がありますね。Wyclef JeanはDestiny's Child最初のヒットである「No,No,No」に関わっていましたが、Beyonceはつれないですね。では、アルバムの方に上がっているMary J Bligeについてはどうですか。今年最初に全米アルバムチャートで1位になって、初動記録も今年全体で最高記録でした。
いのっぴー:
アルバムの出来は並だと思います。ここまで売れたのは結局「Be Without You」だと思うのですよ。そのソングライトを手がけたJohnta Austinに興味が行って正直Mary J Bligeはあまり印象が無いです。Johnta Austinは来年のブレイク候補で、Mary J Bligeは売れたお陰で存在感をアピールできて良かったと思う。

Check Point 1: Johnta Austin
Jermain DupriのSo So Defに所属しているソングライター。Mariah Careyの「We Belong Togther」「Shake It Off」「Don't Forget About Us」といったヒット曲をJermainと共作。Mary J Bligeの「Be Without You」でもBryan Coxと共作してヒットした。2007年2月にはソロデビューを果たし、アルバム『Ocean Drive』と先行シングル「Turn It Up」が予定されている。Ne-Yoに続けるか注目。
Official Site


MORI:
あと作曲にBryan Coxが関わっていました。Mary J Bligeは昔からよく新人を引き上げる印象がありますが、今回のアルバムはそんなアルバムだったと思います。あと、アルバムに金がかかっていて、こんなアルバムを作れるのは今やMary J Bligeしかいないなあと思いました。

Check Point 2: Bryan Michael Cox
Johnta Austinと同じくSo So Def 所属のソングライターで最近のJermain Dupriの快進撃の影にはずっとBryan Coxの名前があります。Bow Wowの「Like You」、Chris Brownの「Say Goodbye」、Danity Kaneの「Ride For You」、Ginuwineの「Stingy」、Jagged Edgeの「Walked Outta Heaven」、「Where The Party At」「Let's Get Married」「Promise」、Mary J Bligeの「Be Without You」、Usherの「U Got It Bad」「Burn」「Confessions pt 1」などを作曲。

いぬふく:
今回のアルバムは彼女の初期の頃のインパクトこそ無いですが、全体を通して聴いたときの感触が好きでした。
はまべ:
Hip Hopからソウルシンガーに移行しているのかなと。今回発売されたBest盤の新曲4曲を聴いてもそんな感じがしました。多分彼女の目標はAretha Franklinなんだけど。 『Breakthrough』はそんな過渡期のアルバムのような感じがしました。「MJB Da MVP」とか無理にHip Hopやっている感じではないと思うのですけど。
MORI:
名盤『My Life』はソウルっぽいイメージがあって、其の頃から第二のAretha Franklinだと思っていました。今やゴッド姉ちゃんですけど。

■ はまべさんの2006年洋楽シーン

MORI:
そしたらMeantimeでBreakoutを担当されているはまべさんの今年のベストシングルとアルバムをお願いします。
はまべ:
シングルはShakiraの「Hips Don't Lie」、アルバムはGusterというTriple Aのバンドの『Ganging Up On The Sun』です。GusterはいつまでたってもブレイクしないですがTrain とかThe Frayとか好きな人ならいけると思います。実はアルバムはそんなにコレといって好きなものが無くて、他にはThe GameとかDiddyとかAngels & Airwavesとかその辺も聞いていました。
MORI:
Gusterはちょっと知らないのですが、知っている方はおられますか。
はまべ:
まあレアバンドなんで・・。
いぬふく:
Gusterから離れちゃって申し訳ないのですが、The Gameはいかがでした。
はまべ:
The Gameですけど実は1stアルバムは聴いてなくて、2ndを聴いたらこうも聴きやすいのかと感動しました。南部の音に慣れてきたので久々にこういったわかりやすい音がつまったアルバムを聴いて嬉しくなりました。個人的にはWill I Am作の「Compton」が最強。めちゃくちゃかっこいいです。
いのっぴー:
The Gameは今回のアルバムの方がいいね。
いぬふく:
なるほど。1stはそこそこという程度だったので、今回購入に踏み切れなかったんですが、近々買ってきます。
はまべ:
普通にPop Albumとして聴ける良い作品です。
MORI
はまべさんはMeantimeで全ての今年のTop40ソングを全て解説されていますが、Shakira以外にコレが良かったってありませんか。
はまべ:
Blue Octoberの「Hate Me」とMatisyahuの「King Without A Crown」ですかね。Blue Octorberの「Hate Me」はテイストとしてEverclearの「Wonderful」に近い印象を受けました。自虐というか・・まあちょっと違うんですけどね。
MORI:
MatisyahuもBreakoutで1位でしたね。Blue Octoberもチャートの順位が上がっていれば騒がれそうですが。あと今年の洋楽、全米チャートでいいですが何か印象ってありますか。
はまべ:
ピアノロックとTimblandの覚醒化ですか。TimblandはNelly Furtado、Justin Timberlakeときたのであと一人くらいポップ系の人を大爆発して欲しいです。
いのっぴー:
TimblandだったらOmarionの「Ice Box」は凄いよ。
ブッチ:
Omarion「Ice Box」は良いですよね。来年大ヒットしそう。
MORI:
ピアノロックは70年代というか、、確かに一時期ロックにピアノを使うのを嫌っていたことがありましたが。
Lemmon:
今年は個人的にThe Frayの年でした。邦題には腰抜かしましたけど。
はまべ:
日本で自殺自殺と騒いでいた時に「How To Save A Life」でしたしね。
Irano:
命の処方箋でしたっけ。
はまべ:
「こころの処方箋」ですかね。「命の処方箋」の方がしっくりきますけど(笑)。
Lemmon:
想いのなんとかを歌にして・・とかもありました。
MORI:
The Frayは自分のベストにも入れているけど、今ひとつ押し切れないなあ。
Lemmon:
僕はポップスとして楽しんでいますけど、物足りない感じでしょうか。なんかわかる気も。
ブッチ:
今年はびっくりするような邦題が多かったですから。Cascadaの「いつでもタッチ」(Everytime We Touch)なんて。
Lemmon:
「尻は嘘つかん」(Hips Don't Lie / Shakira)も。<正確には「オシリは嘘つかない」でした
はまべ:
Shakiraの邦題はそのままやん!っていう。これも感動しました。
Lemmon:
Shakiraの踊り?がギャグなんで、良い邦題です。
Irano:
Nelly Furtadoの「ふしだらなビート」(Promiscuous)はしっくりきました。
Papaya:
「グウェン姐さんのねじ巻き行進曲」(Wind It Up)にはびっくりしました。
Lemmon:
ナンですか、これ??お子さんと「Sound Of Music」を見ているときに使おうと思ったのでしょうか。
MORI:
80年代には変な邦題がありましたが、最近も意識的に狙った邦題がありますね。
いのっぴー:
明らかに狙っているでしょうね(笑)
MORI:
「ねじまき行進曲」はビデオクリップからでしょうか。次の「Sweet Escape」も変な曲ですから期待しています。
はまべ:
Sweet Escape」ってAkonプロデュースですね。
Lemmon:
Akonの躍進にびっくりしています。Sean Paulの時と同じぐらいに。

■ いのっぴーさんの2006年洋楽シーン

MORI:
それでは続いていのっぴーさんの今年のベストシングルとアルバムをお願いします。
いのっぴー:
シングルはD.G.YolaAin't Gon Let Up」とOmarion「Ice Box」。「Ain't Gon Let Up」はクランクやスナップ(踊れないクランク?)に飽きてしまった時にドンピシャでした。「Ice Box」はJustin Timberlake「My Love」の進化系。アルバムは決定打は無いけど、聞いた回数でT.I.『King』とThree 6 Mafia『Most Known Hits(ベスト盤)』です。
はまべ:
Three 6 Mafiaベスト出てたんですか!。
MORI:
いつ出たんだベスト。
はまべ:
あららら。「Stay Fly」が入っているやつは遅ればせながら今年の春買いましたけれど。
いのっぴー:
すぐ買いましょう(笑)。
MORI:
Omarionが上がっていますが今年はTimblandの年でしたね。いのっぴーさんの印象は。
いのっぴー:
今年はPolow Da Donの印象が強くてTimblandは全く印象無かったんだけど「My Love」と「Ice Box」にやられました。

Check Point 3 : Polow Da Don
アトランタ出身のソングライター。Ludacrisの「Pimpin All Over The World」を手がけて名前を挙げるとJamie Foxx「DJ Play A Love Song」、Pussycat Dolls「Buttons」、Fergie「London Bridge」、Ludacris「Runaway love」、Ciara「Promise」とヒットを連発。2007年に最も期待のかかるアーチストです。
My Space

はまべ:
Polow Da DonってCiaraの「Promise」もそうですよね。あとFergieの「London Bridge」も。
Irano:
Pussycat Dollsの「Buttons」ってPolow Da Donでしたっけ。
いのっぴー:
Polow Da DonではRich Boy f. Polow Da Don「Throw Some D's」が最強です。
いぬふく:
Polow Da DonはCiaraの「Promise」で初めて名前を知りましたけどヒット率高いですよね。「London Bridge」以外はほとんど好きです。
MORI:
Polow Da Donは来年ちょっと目の離せない存在ですね。
はまべ:
T.I.はシングルの印象は強かったですが、アルバムは前作の方がよく聞いていました。どんどん小奇麗になっていくのが許せません(笑)。音も見た目も。
いぬふく:
T.I.ってアルバムのクオリティが高かったわりには地味な印象が。
MORI:
それでも今回のアルバム『King』が初動で50万枚を越えたのは久しぶりに大物って感じがしました。Jay-Zでもそんなにないですよ。
Irano:
Jay-Zを差し置いて「King」って名乗っているけど、Jay-Zが復帰した今もKingを名乗るのでしょうか。
いのっぴー:
なぜだけわからないけどT.I.のアルバムは前作を含めて決定打に欠けるんだよな。

<ここでDaboyさん、Yamaさんが登場>
Daboy:
こんばんは。過去ログを読めないのが痛いな(笑)。
Yama:
こんばんはー。T.I.はKingを名乗れなかったらGodとか名乗るのかなー。

■ ブッチさんの2006年洋楽シーン

MORI:
人数が増えてきたので進めます。ブッチさんの今年のベストシングルとアルバムをお願いします。
ブッチ:
アルバムがPaolo Nutiniの『These Streets』。シングルがJustin Timberlakeの「My Love」ですね。今年の印象としてはやっぱりどこの国もオーディション出身者が強いなあ〜と。
Yama:
Timblandは凄く流行りましたね。
Daboy:
ブッチさん、発言色が薄すぎです(笑) 注:こんな色でした
はまべ:
Justin TimberlakeのMy Loveは怪しい感じが良いです。ちょっと東洋系。
Lemmon:
構成が複雑でかっこいい!
Irano:
「Let Me Talke To You」とつないで聴くとずるいぐらいにカッコイイ!
ブッチ:
そうなんですよね。怪しい感じが良いですよね。病み付きになります。
いぬふく:
「My Love」の人気高いですね。MeantimeのBreakoutではJustin Timberlakeの「Sexyback」の方が上でしたけど、実際はどっちの人気が高いんだろ。
Irano:
「Sexyback」のは飽きが早かったです。
Yama:
「My Love」の方が好きです〜
はまべ:
この前聞き返しましたがJustin Timberlakeのアルバムはやっぱりすごいですよ。
Daboy:
前編Timblandなの?
はまべ:
たしか2曲だけWill I Amとの共作で、1曲がリックルービン。Will I Amの曲も良い曲なんですけど、どうせならTimblandで統一したほうがより良かったかなと。
MORI:
前作の『Justified』はTimblandとNeptunesだったけど、今回はTimblandとその他という感じで統一感がありました。2曲1セットの構成なんかはJanetの作品あたりを彷彿とさせます。
いぬふく:
あの3曲が余計でした。
MORI:
ブッチさんはLetter From MusicサイトではUKも解説されていますが、UKのシーンはどうでしたか。
ブッチ:
UKは再結成ブームでしたが、成功した人は少なかったですね。あとUKで流行った曲がアメリカでも成功するパターンが多かったですね。
Irano:
Gnarls Barkleyとかそうでしたねー。UKではLily Allenが印象的でした。
MORI:
私の印象はTake That、Westlifeが後半は目立ちましたが、全体的にはRockが強かった印象があります。あと90年代以降全米チャートと全英チャートってあまり繋がらないことが多いのですが、今年に限っては結構ダブっていました。ダウンロードの影響かとも思いました。
Daboy:
USはロックだとNickelback系、Rapだとギャングスタ系と同じよなものばかりなのでUKものが新鮮だったと思う。

<Yamaさんがここで用事で退室されました>

■ Daboyさんの2006年洋楽シーン

MORI:
ではDaboyさんの今年のベストシングルとアルバムをお願いします。
Daboy:
順位はまだ決めてないんだけど、シングルだとGnarls Barkley「Crazy」、Chamillionaire「Ridin」、Lily Allen「LDN」、Cassie「Me & U」、Lady Sovereign「Love Me Or Hate Me」なんかが良かった。アルバムはTV On The Radio『Return To Cookie Mountain』、Joanna Newom『Ys』、Bob Dylan『Modern Times』、Ghostface Killah『Fishcale』(編集注、次のアルバム『More Fish』かもしれません)、Clips『Hell Hath No Fury』あたりかな。最近はCiaraの「Promise」が好きよ。あのPVとか超最高!

Check Point 4 : TV On The Radio
ブルックリン出身の5人組ロックバンド。04年にメジャーデビューを果たすと、06年には2ndアルバム『
Return To Cookie Mountain』をリリースした。アルバムには彼らを絶賛しているとされるDavid Bowieがゲスト参加。今後注目されるバンドの一つである。
Staring At The Sun / TV On The Radio

はまべ:
CiaraのアルバムのBonus CDでCiara自身がダンス講座をやってますぜ。
いぬふく:
僕もCiaraの「Promise」大好きです。なかなか同意されないけど。
いのっぴー:
RidinはAl Yankovicじゃだめ?
Daboy:
Al Yankovicのパロディで再評価ですよ(笑)。「Ridin」はサウスものを分かりやすく紹介した曲なんじゃないかな。Al Yankovicを知っているのは僕ら世代の良い大人であって、彼が自分の子供世代が聞いている曲を分かりやすく再解釈した曲って感じかな。
はまべ:
オタク文化を題材に。
MORI::
Ridin」は確かに聴きやすかった。あとNelly「Grillz」もJermain Dupriがサウスっぽい曲をポップにしたた感じ。Jamie Foxxの「Unpredictable」もそんな印象があった。あとDaboyさんはMy Chemical RomanceやNe-Yoについてはどう感じましたか。
Daboy:
USものは飽和状態だと思う。My Chemical RomanceはUKだっけ。新曲「Welcome To The Black Parade」は良いと思うな。来年ポップチャートでも大ブレイクするんじゃないかな。Ne-Yoはリズムものばかりの最近のヒットへのアンチとして受けたんだと思うけど、特に新しいことをやっているわけでもないよね。
いのっぴー:
もうクランクだスナップ(踊らないクランク?)だと言っている場合じゃないよね。
Lemmon:
Ne-Yoは裏方で上手くやるような気がしてます。というか期待。Mariahあたりがもう呼んでたりして。
MORI:
Ne-YoはBeyonceの「Irreplaceable」にも絡んでいるし、間違いなく来年以降もキーになるアーチストと思いますが。特に来年(2007年)はMariah Carey、Britney Spearsを初め大物アーチストのリリースが続きますからNe-Yoが絡む機会が自然と増えるでしょう。
Irano:
Ne-Yoはグラミーの新人賞にノミネートされるかと思ったらChris Brownでちょっとがっかりでした。
Daboy:
確かに来年歌ものが復活する傾向はあるかもね。
いのっぴー:
来年はJohta Austinがブレイクしますよ。Billboard R&B/Hip Hop Songwriter 2006でNe-Yo(4位)らを抑えてトップを獲得しています。
いぬふく:
Johnta AustinはCiaraにもいいバラードを提供していましたね。
Daboy:
みんないい加減歌が歌いたいってことなんでしょ。お経みたいなのばかりが続いてたから。
MORI:
あと、My Chemical Romanceですが、「Welcome To The Black Parade」は歌詞を見ると泣けます。最初のフレーズが流れる度に号泣しています。
Daboy:
「Bohemian Rapsody」(Queen)でしょ。あの手のメロディロックって久しぶりのような気がするので新鮮ですね。そう考えると(一昨年ヒットした)Green Day『American Idiot』って偉大なのかなと再評価してみたり。
MORI:
Cassieでヒトコト。なんか歌えないパフォーマンスビデオとか怪しいビデオクリップを見ましたが、そういうことを含めて話題を作っていたのかなと思いました。
Irano:
Cassieのあのビデオはなぜ撮ったのでしょうか。一回撮影してみたものの、過激だったから今のPVになったってどこかで見ましたが微妙な理由ですよね。

■ Lemmonさんの2006年洋楽シーン

MORI:
ではLemmonさんに今年のベストシングルとアルバムをお願いします。
Lemmon:
みなさんと同じでShakira「Hips Don't Lie」です。あとはThe Frayの「How To Save A Life」とかScissor Sistersの「I Don't Feel Like Dancing」なんかも。アルバムはThe Frayですね。年初めはNe-Yoでしたが今はThe Frayが手放せません。処方箋です(汗)。
MORI:
Daboyさん、The Frayのようなピアノロックが今年流行していますが、どうですか。
Daboy:
The Frayは良かったね。Daniel Powter「Bad Day」、James Blunt「You're Beautiful」は確かに曲はいいのかもしれないけど勘弁って感じだけど。「My Heart Will Go On」みたいでウンザリ。The Frayは好きでしたが、ウンザリするほどかかんなかったからかな。
Lemmon:
個人的にFall Out BoyとかThe All American RejecttかThe Frayもそうですけどポップロックに一時期はまりまくってました。カラオケで。チャートはダウンロードセールスが加わってBillboard Chartが面白くなったなあって思っています。さっきMORIさんのブログを見ましたけど、今年の年間1位はDaniel Powterの「Bad Day」なんですね。なんとか応援歌ですよね。冴えない日?(正確には「ついてない日の応援歌」)。あと恒例ですがSean Paulが2位ですよ。
いのっぴー:
Daniel Powterの「Bad Day」はHot 100 Airplayだと年間20位なんだよな。
MORI:
ようやくSSWの話題が出ました。2006年を振り返っているのにここまで出ないなんて。
Daboy:
Rihannaの新曲はまたダウンロードできないね。Sean PaulはUKだとOK.
Lemmon:
Rihannaは「Break It Off」欲しさにアルバムを買いましたよ。Sean Paulはまだ好きなんです。「Bad Day」と「You're Beautiful」は日本での加熱っぷりのわりに自分も盛り上がりませんでしたね。
MORI:
歌ものというか、音楽全体の流れが変わった印象があります。あと男性ポップボーカル1位が3曲出てますが、90年代にはほとんど無かったと思います。
Daboy:
SSWはアダルト受けが良かったことが大きいでしょうね。KT Tunstallとかもそうでしょ。
Lemmon:
Natasha Bedingfield「Unwritten」がんばりましたね。MORIさんのTop10にも入っている。
Daboy:
「Unwritten」は去年のKelly Clarkson人気を上手く受け継いだと思う。CHRでも年間トップ3くらいじゃないかな。
MORI:
今年に限らずに普通に良い曲です。Alanis MorissetteっぽくもありKelly Clarksonっぽくもある。
いのっぴー:
「Unwritten」はHot 100 Airplayでは年間12位です。

■ Papayaさんの2006年洋楽シーン

MORI:
では今回初参加のPapayaさんの今年のベストシングルとアルバムをお願いします。
Papaya:
シングルはNelly Furtado「Maneater」かAlexix Strum「It Could Be You」です。アルバムはAll Saintsの『Studio 1』あたりです。
MORI:
ありがとうございます。ようやくNelly Furtadoが挙がりました(笑)。All Saintsは復帰作ですね。先ほどブッチさんがコメントされてましたが、思ったよりヒットしなかったという。
Papaya:
All Saintsは最高位が40位です。Top20ぐらいには入ってて欲しかったです・・。
MORI:
年末のUKチャートは新旧入り混じってアイドルが目白押しでした。Take ThatにWestlifeにAll Saints・・。
Lemmon:
ちょっとずれるかもしれないですけどNelly FurtadoのUKとUSのシングルの切り方が不思議です。「Maneater」はメロとサビのヴォーカルの違いがツボです。
Daboy:
UKでは先行カットで大ヒットしたのに不思議だね。
Irano:
「Maneater」と「Promiscuous」って同時1位でしたっけ。
いぬふく:
「Maneater」はUSでも1stカットにしたら、もっとシングルヒットしたんじゃないですかね。
Daboy:
3rd「Say It Right」は普通にヒットしているし、2nd「Maneater」がなかったことみたいになっている。ITMSでは結構上位に食い込んでいたけど。
MORI:
結局シングルを(全米と全英で)分けた作戦が当たったという。
ブッチ:
3rdカットもUS、UKで違うものにあなっていますね。何で違うものにするのか謎です。
いぬふく:
このパターンだとUKでヒット中の「All Good Things」はUSでコケそう。大好きなのに。
Irano:
「All Good Things」はかなりの名曲だと思うのですが。
MORI:
「All Good Things」は良い曲です。USで受けるかな。
Daboy:
Timblandが巨匠みたいになっちゃったね。刺激的な音ではなくなったけども。

■ Iranoさんの2006年洋楽シーン

MORI:
では進めてIranoさんの今年のベストシングルとアルバムをお願いします。
Irano:
シングルだったらChristina Aguileraの「Ain't No Other Man」かGnarls Barkleyの「Crazy」。でも曲単位ではNelly Furtadoの「All Good Things」です。アルバムは聴いた回数だったらJustin Timberlakeの『Futuresex/Lovesounds』とT.I.『King』、KT Tunstallの『Eyes To The Telescope』、Nelly Furtado『Loose』。あとミーハーでDiddy『Prees Play』を。内容的にはChristina Aguilera『Back To Basics』とTimbland関係(Nelly Furtado、Justin Timberlake)ですかなー。
Daboy:
Christina Aguileraの曲は良かったね。Beyonceが歌えばもうちょっとヒットしていたんじゃないか。
ブッチ:
Christina Aguileraの『Back To Basics』ってどうだったのですか?
MORI:
Christina Aguileraのアルバムは(ロックが誕生する頃の音楽を現代に再現した)意欲作で、特に(Linda Perryと作った)2枚目の方はトータルアルバムとして完成度が高かったと思います。DJ Premierに全部を任せたら面白かったかも。
Irano:
個人的にAguileraの試みはツボでした。ただ、このタイミングで2枚組ってどうなのって疑問が残りますが(笑)。聴けば納得できるのですが。
Daboy:
2枚組にしたのはなんだか冒険しきれてないって感じがするよね。
Irano:
商業的にはミスっている感じが。
いぬふく:
僕もわりと好きなんですが、この後のBeyonce、Fergie、Justinと続くリリースラッシュで地味になった感じがあります。
Lemmon:
「Ain't No Other Man」の次は何なんですか。
Daboy:
「Hurt」がヒットしていますがちょっと演歌みたいだよね。ヒット曲としてはややかったるい。「Beautiful」ほどインパクトがない。
Irano:
「Hurt」はちょっと暗すぎな感じですね。発売当初、僕はかなり聴きました。
はまべ:
というか立ち直れなくなる感じ。
Lemmon:
Youtubeで聴いてますが、暗いですね。クラッシック映画好きかな。

■ MORIの2006年の洋楽シーン

MORI:
急ぎ足になりますが、私のベストを最後に。シングルはMy Chemical Romanceの「Welcome To The Black Parade」。アルバムはCorinne Bailey Rae。今年の印象はSSWのブームも面白かったけど、UKの新人が良い活躍を見せたということです。
Irano:
Corinne Bailey Raeも素晴らしい出来でしたよね。
はまべ:
Corinne Bailey Raeは渋かったですね。アルバムは聴いてないですが。
MORI:
UKではCorinne Bailey RaeにArctic Monkeysが一般的にも評論家的にも大ウケで登場して、後半にはLily Allenが登場しました。他にもThe Feelingとか出てきてますが、上の3つは頭一つ抜けていたように感じます。
Daboy:
Corinne Bailey Raeは英国のNorah Jonesみたいな感じ?。Johnny Cashのビデオにそうそうたるロックセレブと供にでてたよね。
はまべ:
UKのErykah Baduか。American IdolのFantasiaもあんな声だったような。
Irano:
Destiny's ChildのMichelleっぽく聞こえます。
いぬふく:
6曲目(Call Me When You Get This)の出だしがMichelleっぽい。
Irano:
声質とか歌い方も似ているけど、Corinne Bailey Raeが器用なアーチストですよね。

■ 2007年にブレイクするのは・・大予想

MORI:
では最後に来年(2007年)にブレイクする音楽とアーチスト予想に移ります。先ほどYoutubeという言葉が出ましたが、Youtube、My Spaceが今年注目を集めました。そこから本格的にヒットが生まれそうです。
Irano:
BreakoutでもYoutubeを投入していましたしね。
はまべ:
でもYoutubeって最近すぐPVが削除されたりするんですよ。
Daboy:
Youtubeもかなり規制が入るでしょうね。
MORI:
今年はダウンロードがチャートに組みこまれた元年だったのですが、80年代のMTVと同じような社会的な変革が起きているなと思います。
はまべ:
My Spaceで新曲のプロモーションをして、YoutubeでPVが話題になって、ITMSで爆発的にヒットが黄金のヒットパターンですね。
Lemmon:
(Beyonce主演で)モータウンを描いた『Dream Girls』が公開されますがその影響はでますかね。Beyonce、Jamie Foxx、Jennifer Hudson(American Idol)、Eddie Murphyも歌っているみたいですが。Beyonceは早速「Listen」ですか。
MORI:
2007年には大物リリースが予定されていて、それこそ50万枚以上の初動を見込めるものが10枚は出るのじゃないでしょうか。Norah Jones、Avril Lavigne、Linkin Park、Eminem、50 Cent、Dr Dre、Britney Spears、Madonna・・・。
いぬふく:
Norah Jonesは1月にリリース予定ですが、Alicia Keysとかも出しそうですね。
Daboy:
Avril は新曲のコケかたを見ていると大丈夫なのかと思ってしまうけど。Britney Spearsはセレブパワー健在だし楽曲にさえ恵まれればヒットは出せるんじゃないかな。
Irano:
Britney Spearsは離婚ソング満載だったりして。
Lemmon:
映画がコケると曲が売れる法則なら「Eragon」コケてますけど。UKではKylie Minogueに期待。
Papaya:
UKだとNatasha Bedingfield、Sophie Ellis Bextorに期待しています。
いぬふく:
Natasha も1枚のアルバムで3年引っ張りましたもんね。
ブッチ:
兄のDanielの方はどうしたんでしょう。気になってます。
はまべ:
Lil Jonは結局出さずじまい。話題にも上がりませんが。
ブッチ:
期待するならKelly Clarksonかな。
MORI:
Usherも出るでしょうね。来年は大物で埋め尽くされそうですが。Black Eyed Peasも早めに攻めとけみたいな感じで出ますね。FugeesとかGuns N Rosesの復活の噂もあったりと。
Irano:
Usherは2004年が凄すぎたから次どういう風に来るんでしょうね。
Daboy:
00年代の前半の常連ばかりじゃなくていい加減新しいアーチストに出てきて欲しいけど。My Chemical RomanceがCHRで1位とかになるとロックにも新しい流れがって感じだけど。
いのっぴー:
サウスのクランク、スナップに続く次のトレンドに期待。
Irano:
Polow Da Donの手腕にも密かに期待です。
はまべ:
Will I Amって今ソロを出せば絶対に売れるのに。
いのっぴー:
Will I Amって製作中らしいです。
Daboy:
Nasの「Hip Hop Is Dead」ってWill I Amフューチャーなんだ。ある意味すげえな。
Irano:
Will I Amって手広いですね。
MORI:
Swizz Beatzもソロを出しますね。(注:『One Man Band Man』を2007年にリリース予定)

Check Point 5 : Swizz BeatZ
ニューヨークで活動するソングライター&プロデューサー。Busta Rhymes「Touch It」などを手がけてある程度知られていたが、その名前を一気に高めたのが2006年の最初に大ヒットしたBeyonceの「Check On It」である。作曲した曲はBeyonceの「Ring The Alarm」、DMXの「Party Up」、Jay-Zの「Jigga My Nigga」、T.I.「Bring Em Out」などなど。現在Britney Spears、Jennifer Lopez、Usher、Eminem、Chamillionaire、Ja Rule、などと仕事をしているとのこと。2007年にはいよいよ彼自身のソロデビューがあり、活躍が期待される。
It's Me Bitches / Switzz Beatz

はまべ:
Swizz BeatzはBeyonceの「Check On It」が素晴らしかった。
Irano:
そうなんですか。かなり期待しちゃいます。
いぬふく:
Timblandもコンピ物っぽいアルバムを出しますね。
はまべ:
Timblandには一回ポップ系アーチストばかり集めてBabyface『Waiting To Exhale』みたいなものを出して欲しいなあ。
いぬふく:
それはいいアイディア!。
Papaya:
さっき調べたらBeyonceの2ndって新装盤を出す予定なんですね。
はまべ:
Beyonce焦っているんですかね。
Irano:
Beyonceの新装盤って日本の企画版でしょうか。それともDeja Vuの新しいビデオでも収録されているのでしょうか。
ブッチ:
「Beautiful Liar」というのが新曲らしい。スペイン語バージョンもあるらしい。
(注:全米でBeyonceの「B'Day」に4曲を加えた新装盤が予定されています。そこからのシングルがShakiraをフューチャーしたBeautiful Liarがカット予定)
MORI:
最近ではDaughtryはシングルで受けると思います。あとHannah Montanaも最近のフェイバリツです。
Daboy:
Daughtryはヒットしそうだね。
はまべ:
Daughtryはtop 40に入ってきましたよ。
MORI:
あとMy Chemical Romanceが27位から16位まで上がってます。2007年にはトップ10入りするなじゃないでしょうか。Green Dayと同じようにビッグヒットとなりそうです。とはいえ最近はダウンロードで一気にチャートに上がる傾向があるので何が売れるのか本当に読めませんね。
Papaya:
『High School Musical』関連にはびっくりしました。
Irano:
Rihannaの「SOS」があんな急上昇で1位なんて想像できなかったです。
MORI:
Lily Allenも全米上陸があるかもしれませんが。
いぬふく:
Lily Allen、かなり気に入ってますが全米で売れるんですかね。
Daboy:
Lily AllenとかLady Sovereignとか肝心なものが売れないですよね。
MORI:
SSWの流れは2007年にさらに強くなるでしょう。ヒップホップはEminem次第ですが勢いは落ち気味かもしれません。全体的にポップなシンガーソングライターの年になると予想します。
いのっぴー:
SSWはダウンロードに強いですね。
ブッチ:
今年の流れがあるならGavin DeGrawはブレイクしそうだと思います。
Daboy:
Eminem厳しいんじゃない。まさかAkonで出てくるとは思わなかった。でも今年出てきたSSWってみんな一発で消えていきそうな気がしない。James BluntやDaniel Powterにこれから「You're Beautiful」や「Bad Day」を超える曲が書けるのかという。
MORI:
いやいや出てくるのじゃないですか。第二のBilly JoelやElton Johnが。
はまべ:
新陳代謝もあるので、あまり同じ人に長く売れて欲しくないな。



ということでいかがだったでしょうか。夜遅くまで参加していただいた皆さんには本当に感謝いたします。ありがとうございました。2007年には心に残る音楽に、あるいは衝撃的な音楽に出会えることを祈りながら締めの言葉とさせていただきます。