レゴンディ(Giulio Regondi)について (2006/4/18)

前回紹介した、NAXOSの15分の無料試聴を利用して、ギター関係のアルバムをチェックしていますが、特にレゴンディのアルバムが気にいったので、今回はレゴンディについて書いてみました。

なお、下記のレゴンディの略歴に関しては、 http://www.ebookcafe.it/english/ebook.php?categ=Music&lang=EN にある、「The Italian Guitar in the 19th-Century: Sixty biographies」の論文に基づいています。
このホームページには、19世紀のギター関係の重要な論文が多くあるので、興味のある方はチェックしてみてください。イタリアのサイトなので、イタリア関係のギタリストの話題が多いです。

1.レゴンディの略歴

レゴンディ(Giulio Regondi)は、ロマン派のギターの歴史上の重要人物でした。
彼は、1822年(いくつかの資料では、1824年)にジュネーブで生まれたと思われます。父親のジョゼッペは、ミラノの出身で、母親はドイツ人でした。
子供のころから父親から音楽とギター演奏の初歩を学びました。
彼が8歳の時に、リヨンで神童としてデビューしました。彼の家族は、1830年4月にパリに移るまで、ここに住みました。

パリで、レゴンディは、すぐに名声を得て、最もよいコンサートホールで演奏し、そのことでさらに広く認められるようになりました。
1831年5月に、家族と共にでロンドンへ引っ越しました。彼は、すでに著名なギターの名手でした、そして、彼の名声は、すべての当時の雑誌において、ずっと高く評価されました。
数年の間、彼はイングランドの各地でコンサート活動を行いました。1834年に、彼はダブリンにおいて、主要なコンサートセンターで演奏しました。

1835年に、Regondiは、Wheatstoneによって発明された新しい楽器である、コンサーティーナ(concertina)に興味を持ち始めました。彼は、この楽器の熟練した演奏者にもなりました。その時から、彼は、ギタリストとコンサーティーナ演奏者の両方で、公衆の前にしばしば現れました。

1840年−41年に、レゴンディは、チェリストの Joseph Ledel と一緒にヨーロッパのツアーを行いました。ウィーンで、10回のコンサートをすることを始めとして、ミュンヘン、フランクフルトとダルムシュタットでも演奏しました。
1841年2月に、彼はプラハにいました。それから、彼はライプチヒを訪問しました。ここで、クララ・シューマンによって組織された、オーケストラ・メンバーのための年金基金を確立するため慈善音楽会で演奏しました。

ロンドンに帰って、1844年から、ピアニストのDulkenとのデュオの活動を続けました。
1846年10月にドレスデンでソロコンサートを開き、1847年11月には、リバプールで演奏しました。1850年からは、主コンサーティーナの活動を行うとともに、いくつかの作品を出版しました。
彼のコンサート活動は、60年代の終わりまで続き、彼は引退しました。彼は、1872年5月6日にロンドンで亡くなりました。

レゴンディは演奏会を開くことに人生を捧げ、作曲は時折行うだけでした。
彼は、ソロのギターのために5つの仕事を残しました(Andre Regondiによって出版されました)。それは偉大な作品であり芸術的な価値があることがわかります。

フェルナンド・ソルは、レゴンディに、幻想曲Op.46「友情の想い出」を捧げています。

2.レゴンディの作品

(1)ロンド・カプリス「村の祭り」ニ長調Op.20
(2)変奏曲第1番イ長調Op.21
(3)序奏とカプリス・ホ長調Op.23
(4)変奏曲第2番ニ長調Op.22
(5)ノクターン「夢」ニ長調Op.19
(6)10の練習曲

以上で全作品のようです。尾尻雅弘さんによって全曲演奏のCDが発売されています。 NAXOSでも、レゴンディ ギター作品全集 第1集(8.554191、演奏者は、ジョン・ホルムクヴィスト)で、(1)(3)(6)が、 レゴンディ/メルツ(8.555285、演奏者は、リカルド・ガレン)で、(2)(4)(5)と、10の練習曲の第4番が、聞けます。 ということは、NAXOSでも全曲が聞けるということですね。
なお、「10の練習曲」は20世紀末に再発見されたということなので、まだあまり知られていないかもしれませんが、充実したすばらしい練習曲集だと思います。旋律も魅力的です。

ノクターン「夢」はトレモロの名曲として、録音も多くあるので、知っている人も多いと思います。いつかは弾いてみたい曲の一つですが、トレモロがいまだに苦手なので、トレモロの基礎から練習しないと・・・

レゴンディは少数の作品しか残さなかったのが、非常に残念ですが、残された曲だけでも大いに楽しめます。

3.レゴンディの楽譜

尾尻雅弘編の「レゴンディ・ギター作品集」が現代ギター社から出版されており、Op19〜Op.23が収録されています。10の練習曲は輸入楽譜で入手可能です。
無料で入手できる楽譜としては、10の練習曲の中の3番と4番が、boije コレクション にあり、Op19〜Op.23は、REX Libraryからダウンロードできます。
とりあえず、10の練習曲の中の3番と4番を弾いてみたいと思っています。