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sin

HIRO TAKA
歌詞について  もう何年も前からある曲でしたが、自分の中で中々決定的な詞が出てきませんでした。なので、今回歌詞がついてやっと、曲としてのイメージが決まったということです。いやーそう考えるとこのタイミングになるまで、自分の歌にならなかったのですね。
 「孤独」と、「一つになること」は幻想だなぁという歌です。なんか、そんな風に考えると寂しい感じもしますが、愛し合うことを認識できるようになるまで、人は個体として孤独だということ、そしてそのことを悲しむことの不毛さを歌いました。なんだかメンドクサイね。
 オレん中では、矛盾や不条理が世界を構成する大事な要素の一つなのだな、といつも考えてます。えー。
 ま、まさか自分を猫に喩えようとは。
 この曲の歌詞は非常に難解でした。歌録りに当たってHIROから直接詞の意味するところについて解説を受けてなるほどねーと、その内容については理解できたのですが、さすがに一読しただけでは分からないかもしれないですね。
 ただ、HIROは作詞において自分の中からにじみ出るものを非常に大事にしているというイメージを持っているので、分かりづらいかもしれないけど、歌詞の中に彼の意図するもの、伝えたいことは含まれているわけで、それを完全に読み取れないまでも、感覚的にでも感じることが出来ればいいんじゃないのかなと思います。
曲について  大変昔からある曲です。今でもギターを手にするとこの曲のイントロを弾いてしまいます。もともとはギターのアルペジオから出来て行った曲です。懐かしい。当時の機材で初めて形にしてTAKAに聞かせてみたんですが、そう考えるとCellの原型みたいな曲です。あぁ感慨深いですね。
 綺麗なアルペジオに導かれるまま構成を作っていき、こんな形に。ピアノが弾いているさりげないフレーズが、始まりから終わりまで曲を引っ張って行きますが、ソレが始めに生まれたギターのアルペジオです。サビのメロディが少しパンチ不足か?と前段階の歌詞の時は思ってましたが、今回の詞により譜割りが安定し、これはこれでスッキリしてるなぁなんて思ってます。
 とかっつってサラッと解説してっけど、当時はそれはそれで生み出す苦しみがあったんです。
 基本的なアレンジは、当時のデモテープの時に出来ていました。今回の録音に当たって、TAKAがほんの少し脚色してくれ、さらに良くなりました。
 曲自体はかなり古いです。Cellの曲は僕やHIROが過去にそれぞれ個人的に作っていたものに唄を入れ形にしていってる曲が多いですが、sinはその中でも最古参に近いくらいで、HIROが僕に一番最初に送ってきたデモテープに収録されていた曲です。全体的な構成アレンジ、メロディー等は当時からほとんど変わっていません。そういう意味では当時の時点で形としてはほぼ完成されていた曲であったといえます。
 曲調については、王道というか、HIROの音楽性が割と素直に出ていると思います。良い曲なのでいずれやってみたいなと思い、ずいぶん前にバックトラックはレコーディングしていたのですが、なかなかやろうという決め手が無くそのままになっていました。それをHIROが詞が書けそうだということで、急遽やることになりました。
 長い間暖めていましたが、こうして一つの形として完成したのは感慨深いです。
自分のパートについて  淡々した感じを出したかったのです。すごく昔からある曲なので、ラクニイケル、と思って軽く歌録りに臨み、上手くいったと思っていましたが、今聴くともう少し歌いこむ余地がたっぷりあるなぁ、と思いました。曲自体の誕生からは時間が経っていますが、命が吹き込まれたのはごく最近。大事に育ててあげたいと思っています。  ギターは基本的に何も難しいことはしていません。歯切れの良いバッキングを意識した位で、楽に弾きました。
 ただし、ギターソロはめちゃめちゃハマってしまい、歌録りが終わった後も納得のいくテイクがとれず、ストレスが溜まりました。HIROが打ち込みで作ったギターソロなので、ポジショニングとかが考慮されておらず、ややこしい運指だったため、スムーズに弾くことが出来ず苦労しました。
 公開したテイクでも若干なめらかさに欠ける部分はあるかと思いますが、なんとか聴けるレベルになったので、良しとしました。
気に入ってるところ  全体的に淡々として、しかも綺麗なところ。
 始まりであるところ。
 でも形になるまでかかった時間を考えると、実はやんちゃなところ。
 好きです。


 全体的にいわゆるビジュアル系と呼ばれるジャンルにおける王道といえるタイプの曲で僕は気に入っています。
 疾走系というのとはまた違うかもしれませんが、Cellの信条とするメロディアスな部分は出せているのではないかと思います。

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