ストローク

ひび割れた声がもどる 日曜日の朝は
なつかしい匂いが 僕の鼻をぬらす

北向きの風と 君がついた嘘で
紙くずが川のむこう側まで届く

いつの間にか消えなくなった落書きを
忘れたふりして暖めた背中

昨日までの間違いを 君と僕の手でつなげて
月の目をすり抜けた嘘は 手のひらにのる


時計の針を止めて しるしをつける
無口な毎日の中で 晴れ間をさがす

チープな幸せに響くうたを
忘れてしまった小さな背中

今日から始まる間違いは 青いだけの空に溶けて
ふりつづけた旗を捨ててきた風にのる