Fall
Music /Babees Words/ Kako

踵の潰れたあのスニーカーはどこにも見当たらない
見慣れたはずなのにまるで知らない部屋にいるみたい

ちっぽけなあたしを照らす
月は高く 遠く澄んで
空っぽなあたしを撫でる風が冷たさ増した

長袖のシャツ引っ張り出したら
あのひとの忘れ物

髪をかきあげる度に袖から愛しい匂いが
鼻をかすめて
瞳から月の雫 零れ落ちた

こんな季節には決まって羽織って行ったこのシャツ
いつも帰りを待ったあのドア
もう開ける人はいない

いつも二人で見上げていた月も
今日はやけに寂しそうだよ

顔 思い浮かべる度に
とめどなく流れる悲しみが
頬を伝って胸の奥まで流れ込んでくる

涙は渇いた風に乗り
光を映して
どこへ飛んでいく?

ふたり過ごしたこの部屋から
あの日の笑い声が
耳をかすめて
How Can I Survive In This Lonely Night

暗闇に浮かぶ月は
寂しそうにあたしを見下ろして
渇いた風がシャツを通り抜けて
忘れられない長い夜になって
戻らないひとを待って…