Loud 2001年11月号所載



drukqs_shop★突然、ホワイト盤で「2リミキシーズ・バイ・AFX」を出しましたけど、あれは過去に作った曲をあなた自身がリミックスし直したものなんですか?

スロー目の曲は4年前に作ったもので、ぼくの友だちが何人もレコードで欲しいとずっと言ってたやつだ。もう一曲は6か月前くらいに作ったヤツで大好きな曲だよ。

★そのシングルはMENというレーベルからリリースされたわけですが、あれはREPHLEX傘下に作った新しいレーベルなんですか?

これはトムとで作った新しいレーベルだよ。

★MENからは今後どんな作品をリリースしていくつもりですか?

そのうちわかるよ

★またそれとは別に、いまプロモ・オンリーでエイフェックス・ツインVSニコルソン「Lick The Track」という片面のみのシカゴハウスっぽいシングルがリリースされていますけど、このシングルについて教えて下さい。

そのレコードについてはぼくはなにも知らない・・・。もしそのレコード余分に持ってたら、WARPに送っておいてくれないかな。

★ところで「ウインドウリッカー」のあと、それに続く6枚目のアルバムは自分が死んでからリリースされるということでしたが。あのとき多くの人がリチャードは音楽業界から引退したと思ったわけですが、どうゆう心境の変化でまたアルバムを出す気になったんですか?

ぼくは、リリースされていないオリジナル曲がたくさん入っているMP3プレイヤーをなくしてしまったんだ。だから、それがウェブにフリーでアップされる前にお金をもらっておかなきゃと思ったんだよ。

★アルバムは30曲という大作ですけど、これは自分が死んでからリリースしようと考えていたアルバムなんですか?

最初は、CD4枚組でリリースされる予定だったんだけど、やめた。それはちょっと大変すぎるからね。

★話が前後しますが、どうして次のアルバムを自分が死んでからリリースしようと考えたんですか?商業的な音楽業界に嫌気がさしたんですか?

アルバムをリリースするのには、通常よりも時間がかかるってだけだよ。すべて問題無いように、細かいところまで注意してチェックする作業はあまり好きじゃないんだ。でもこのアルバムの写真を撮るのは楽しかったから、全部悪かったわけじゃないけど。

★で、まあ、ともかく、ニューアルバムがリリースされてみんな驚いているわけですよ。一度は自分が死んでからリリースしようと考えていたアルバムをどうして出そうと思ったんですか?

それは、ぼくは死んでないからだよ。

★以前インタビューしたときに、あなたは新しい曲ができるとそれをDATやカセットテープに録っておく。そしてアルバムをリリースするときには友だちにそれを聴いてもらって選曲を手伝ってもらうと言ってましたけど、今回のアルバムはもう少しコンセプチャルな感じがするんですけど。

全部自分で選んだ。これはここ何年かのぼくの思考を反映したものだからね。

★ニューアルバムのタイトルは「ドラックス」ですが、これはどうゆう意図でつけたんですか?

これはぼくにとって特別なものなんだけど、他の人には通用しないし、理解されないと思う。

★曲自体は「ウインドウリッカー」以降に作ったものなんですか?それとも録りだめてあったものを新しく組み立てて作ったものなんですか?

3.4曲は、以前に作ったものだよ。

例えば、ジャケットは古いタイプライター(実際には1年前に彼が購入した自動ピアノの鍵盤をモチーフにしたもの)にエイフェックス・ツインという文字が刻まれていますよね。まるで遺書のようであり、挑戦状のようでもあります。このアルバムにはなにかメッセージみたいなものは込められていますか?

メッセージはほかの誰でもなく、ぼくだけに向けられたものだ・・・あとナノー2にも

★このアルバムはノイジーなリズム中心の曲とともにメロディーも大切にしていますよね。例えば、ピアノだけの穏やかで郷愁を誘うメロディの曲がいくつかありますけど、ああいう生楽器だけの曲をアルバムに入れたのにはなにかワケがあるんですか?

ぼくがドラム中心で作った曲はすぐにコピーされたり、時代が変わったりして古く聴こえてしまいがちなんだ。それに費やした労力を考えると、腹立たしいことだよ。でもピアノ曲は300年後でも聴けるし、古く聴こえないんだ。

windowlicker★例えば、曲作りの際にダンスとかリスニングといった音への括りはあなたにはありますか?

もちろん。ぼくは自分がなにをしたいのか、いつもほぼ完成された絵があるよ。

★じゃあ、いまのテクノシーンやダンスカルチャーには興味ありますか?

うん。いまはほとんどだが、92年から95年のアートコアだ。リマーク、マーベラス・ケイン、ビジー・ビーなんかがいいね。

★ところで、クリス・カニンガムが手掛けた2本のヴィデオ「カム・トゥ・ダディ」と「ウィンドウリッカー」はエイフェックス・ツインを見せ物化しようとする世間の態度を逆手にとった挑戦的でユニークなヴィデオだったと思うんですが、今後もまた彼とともにヴィデオを作る計画はありますか?

うん、でもそれはサプライズだ。ドラックスのヴィデオも作ったよ。あとモンキー・ドラマーのも。

★クリス・カニンガムはウィリアム・ギブソンの「ニュー・ロマンサー」を映画化したいと言っていましたけど、その映画のサウンドトラックをあなたが手掛けたら面白いと思うんだけども。もし仮に彼からそういう話を持ちかけられたら引き受けますか?

うん、でも今はやってない。

★ところで、11月30日<ELECTRAGLIDE 2001>で来日しますね。そのイベントではライブをやるんですか?それともDJですか?

DJに、PCから何曲かライブで曲を入れると思う。

★例えば、ライブやDJを通してオーディエンスに与えたいと思っているムードはなにかありますか?

完全なるエキサイトメントと新しい何か。

★ここ最近クラブへは遊びに行ってますか?もし遊びに行ってたらここ最近であなたの記憶に残るような刺激的なパーティはなにかありましたか?

たくさんあるよ!!いつもさ。今年はUKでたくさんDJをしてるんだ。多分40回くらい。

★音楽以外でいま一番興味があることはなんですか?

さらに多くの音楽!衛星を操作すること、チェス、モジュラーシンセサイザー。

★最後にREPHLEXの今後のリリース予定を教えてください。

ピエール・バスティエン。ロバート・ノルマンデュー。ニューグローバル・グーン。オビューカ、ボグダン、サイロブの新しいアルバムとシングル

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