「ろびのスパイス」 by ろび

第5回「ビューティフル・マインド&アメリ」(2002.3.25)

最近ごぶさた(RENT注:実に5カ月ぶり)のエッセイは「ビューティフル・マインド」
主演のラッセル・クロウは、「グラディエーター」で見せたマッチョで勇敢な彼とはあまりに違っていて驚いた。
いや無口なところは一緒なのかもしれないけど。
天才数学者のジョン・ナッシュ。実在の人物だ。
この映画は「ゲーム理論」の土台を完成させ、
その後、経済学や様々な分野に大きな功績を残したノーベル賞学者の伝記を元に、
かなりの脚色を加えて作られたそうだ。
冷戦下のアメリカで、天才がゆえに破壊されてゆく精神と苦悩、
それに立ち向かう意志の強さを演じるラッセル・クロウの魂の演技はすごい。
半裸になった時、数学者らしからぬほどムキムキだったのがちょっと気になったけど。
しかし、天才の頭の構造ってどうなってるの?
なんで、あんなふうに数字が浮かび上がってくるわけ?…というのはさておき、
何よりぐぐっとくるのが、この天才学者を支えた妻のアリシア。
ジョンの、あの精神的破壊はスクリーン通しても恐怖を感じるほどだ。
夫があんな状況であそこまで愛を注ぎ、支えられる女性はそうはいない。
更に ぐぐぐっときたのが「ペン」のシーン。
これ以上はネタバレになるのでやめっ☆

もうひとつ、良かったのが「アメリ」

日本でもかなり話題になったフランス映画だ。
自分の周りの人をちょっとだけ幸せにするためのおせっかいが文句なしにかわいい。
アメリの空想も笑える。
「今この瞬間に何組のカップルが絶頂に達したか」を想像して「15組」とか言ってるところなんか、普通思いつかない。
証明写真機の下に落ちたバラバラ写真をつなぎ合わせてコレクションしているオトコを好きになるという設定も面白いが、
シャイなアメリが彼に自分の存在を知らせるための手段がこれまた心憎い。
とにかく描写や見せ方がフランス独特の不思議なアートだ。
しかも見終わった後が超ハートフルな感じ。
あんまり気に入ったので、アメリの好きなクレームブリュレを食べに、
公開当時「アメリ」と連動していた神戸の「TOOTH TOOTH」というカフェまで行った。
もちろん、お焦げはちゃんとスプーンで叩いて割ったわ♪(←見た人は分かる)