「きいの音楽室」 by きい

第2回 〜古久里来(都会と田舎の接点)〜(2001.7.20)

7月7日(土)、愛媛県喜多郡内子町にある「古久里来」(こくりこ)というところでホームコンサートがありました。
実は、わたくしallspiceの他に「T-chans」というアカペラバンドにも属しておりまして、
当日は、この「T-chans」がコンサートに出演したのであります。

古久里来って、少々変わった名前ですよね。
内子町の町並みから自動車で5分くらいの所にあるのですが、
周りは田畑に囲まれた農村。その中に、ぽつんとあるのです。
看板が小さい上に、建物が植木に隠れているため、
初めて行く人は気づかずに通り過ぎてしまうかもしれません。
植え込みの間の門をくぐると、「おお!」
なんと静かで美しい中庭、その中庭のむこうには素敵な和風の建物(2階建て)が・・・
その日のコンサートはその建物の1階で催されたのでした。
当日、日本音楽を勉強しておられる若い方々(約40人!)がたまたま現地に来ておられ、
T-cnansの演奏の前に、尺八、三味線、三線(沖縄のいわゆる蛇味線)等の演奏を披露していただきました。

さて、「T-chans」の出番がやってきました。めったに練習しないくせに、
なんとこの日は5曲も歌っってしまったのです。(今までは2曲が最高だった)
プログラムは「上を向いて歩こう」「Sing」「Over the rainbow」「So much in love」「この道」。
So much…以外はすべてトライトーンの編曲です。
俺とベースの研ちゃんは、本番前からすでに宴会。
おいしいワインにも目がくらみ、研ちゃんけっこう酔っぱらっていました。
でも大丈夫。本番では、50名ほどの聴衆にアカペラの魅力を充分アピールできたと思います。
(いつものようにオール譜面を見ながらの演奏だったけどね)

ひととおり演奏が終わった後、
「古久里来」の奥さんが作られたおいしい料理とお酒に舌鼓を打ちつつ、
みんなでわいわいと盛り上がりました。
宴の途中、私は、密かにギターを取り出して、
例によって「ジプシーキングス」の絶叫弾き歌いを始めました。
…いまいちテンション上がらなかったのはマイクのせいにしておこう。
(ブームスタンドを持っていくのを忘れたのよねえ)
でも、近くにいた日本音楽の若いねーちゃんたちにはけっこう受けていたと思うんだけど。

で、一通り歌い終わった後、2階からなにやら尺八の音色が・・・。
近くで聴いていたねーちゃんいわく、「2階に上がった尺八吹きの男の子が、
僕の弾き歌いに会わせて、即興で絡んでいた」らしい。
さっそく2階に上がって一緒にセッションしてみました。
初めは、おいらが「ボサノヴァ」の曲を2,3曲弾き歌いしてみたのだが、
コード進行が複雑で尺八が絡めず、ボツ。
それならということで、ギターでブルースのバッキングパターンを弾くと、「おお!」
彼は、尺八で見事にブルースを吹くではないか!・・・おもしろい!
結局1階に戻り、みんなの前で、ギター&尺八の即興ブルースを披露したのでありました。
これが「おお受け!」「拍手喝采!」・・・とっても貴重な体験でございました。

さて、お酒をたらふく飲んだ私、自動車でやってきたため、
お家に帰ることができません。こまったなあ・・・
そんで、思い切って「古久里来」のご主人に
「泊めてくださいませんか」と、きいてみました。
答えは、「よろしいですよ」・・・(やったあ、ありがとうございます!)
実は、この「古久里来」、なんと民宿だったのでございます。
コンサート&宴を催した和風の建物の隣には、
不思議な円筒形をした2つの建物がありまして、
それぞ、素晴らしい洋風お部屋(ダブル4部屋)を有する宿泊棟だったのです。

結局、その何とも素敵なお部屋に予約もなしに宿泊してしまいました。
なんたる幸せな体験!
この日ばかりは忙しい仕事のこともすっかり忘れて、ぐっすり眠ることができました。

「古久里来」の森長家の皆様方、本当にありがとうございました。
今度はallspiceのみんなを連れて行きますからね。
いや、迷惑がられるかも?