ジャンル別、お勧めCD

パゴーヂお勧め

 パゴーヂのお勧め版を選んでみました。サンバとパゴーヂの境目ってよく分からないのですが、パゴーヂ歌手と称される人たちの作品を選んでみました。こちらも、サンバと同じく入手は難しいと思いますが、やはり良いものを紹介したいので、選定に当たっては入手の容易さは考慮していないことをご理解ください。


O Show Tem Que Continuar/Fundo de Quintal

Fundo de Quintal  パゴーヂの草分けであり、現在でもパゴーヂの代表グループであり続ける「フンド・ヂ・キンタウ」の1988年の作品。アルバム・タイトルにもなっている2曲目のO Show Tem Que Continuar(「ショーを続けなければいけない」というような意味)は「フンド・ヂ・キンタウ」の代表作の1つであるともに、パゴーヂの代表曲の1つです。パゴーヂとは、小編成で演奏されるサンバの一種で、その語源は「騒ぐ」という意味だそうです。明るく楽しい音楽ですが、騒ぐという語源から想像される粗雑さは全く感じられません。洗練されたハーモニーは流石、ブラジルという感じです。グループ名Fundo de Quintalは「裏庭の奥」という意味で、裏庭の奥で演奏を楽しんでいたことに由来しているそうです。


Ao Vivo 2/Jorge Aragáo

Jorge Aragao  パゴーヂの代表的存在のひとりであるジョルジ・アラガォンのライブ盤です。最初はFundo de Quintalに参加していましたが、その後は歌手としてよりも作曲家としても頭角を現しBeth CarvalhoのVou Festijarなど大ヒット作を生みました。1999年のライブ盤が大ヒットし、歌手としても大ブレークしました。このAo Vivo 2は、2000年に録音された2番目のライブです。スタジオ録音ではこの日と場合、ポップス風アレンジだと美声の持ち主であるためちょっと甘い感じに流れて歌謡曲っぽくなってしまう(それもまたいい)ことがあるのですが、このライブ盤では、自身が弾くカヴァキーニョをはじめブラジルっぽい雰囲気ですので、サンバ好きの人にもお勧めできます。


Sambista Perfeito/Arlindo Cruz

Arlindo Cruz  Fundo de Quintal出身の今をときめくサンバ/パゴーヂの作曲家/歌手です。Gorge Aragaoがちょっと甘い歌声で大衆受けするのに対して、この人はいかにも「サンバ職人」といった感じの渋い声の持ち主です。このアルバムのタイトルSambista Perfeitoは「完全なサンビスタ(サンバを創り歌う人)」という意味なので、まさのこの人にぴったり曲です。といっても、Sambista Perfeitoとして歌詞に出てくるのは自分自身ではなくPaulinho Da Violao、Maltinho Da Vila、Zega Pagodinhoの3人です。もちろん「サンバ職人」といっても古いスタイルに固執している訳ではなく、このアルバムにもゲスト参加しているMaria Ritaに、彼女のアルバムSamba Meuにも数曲を提供するなど若い世代との交流も盛んにおこなっています。このアルバムも古臭さなど微塵もありません。


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