わたしと同じように友達と遊ぶのが大好きで、
わたしと同じように世の中のオカシサ無視できないで、
わたしと同じようにそろそろ動き出さないとヤバいよって思ってて
わたしと同じように楽しいことやらずにはいられない、
同時代に生きる同世代の一青年が、異世代にも通用する映画をつくった。

『カクト』伊勢谷友介 主演・監督
オフィシャルHP

この映画の構想を伊勢谷くんが1年半前に雑誌で語っていてその時から完成を待ってた。
伊勢谷くんの言葉は共感できる。だから信じられる。
同じような感覚の人がその感覚を表現してくれてとてもうれしい。
その伊勢谷くんの初長編監督作『カクト』試写会&ティーチイン(監督本人との質疑応答)のイベントに
運よく行けたのでみなさまにもおすそわけ。

ストーリーは見る人多いだろうからあまり言わないけど、
ある事件がそれぞれの登場人物に関係してきて少しづつ繋がっていくの。
現代にあるだろう一日を切り取ったもの。
特定の人物の目線に合わせた世界ではなく、
綺麗なものも汚いものも、善も悪も全てが同じところに存在している。
まさに現代。
でも難解じゃなくて15歳以上なら(これはR-15指定)誰がみても理解できるし、
誰がみても笑える。
そう、結構笑えるんだよ。
あといろんな人間が出てくるから、見てて飽きない。
映像的にも凝ってる!
登場人物の言葉ですごく共感できるものも多かった。
そうそれ正にさっき考えてたこと!と言いたくなるのがね。
(終わり方がとてもうまいので、)
観た後は笑顔ででられる。
そして
観た後友達と映画のことを話したくなる。
そんな映画でした。
8月上旬公開!

さて、で、ティーチイン!
さっきまで画面の中で動いてた人が目の前にいる!本物です。伊勢谷くんかっこいいわ。
では覚えている限りティーチインの内容を。
記憶のみがたよりなので、口調は本人のものと異なる場合多数。
ネタバレもかなりあるので、ご了承の上で。

Q.「カクト」はどういう意味ですか?
A.「覚人」とかいて目覚める人、目覚めさせる人。「覚都」と書いて都市を目覚めさせる。というダブルミーニングで、
  僕(僕ら:アートチーム〈カクト〉)の目指すところというか、理想です。

Q.けっこうクサイ台詞や演出があったと思うんですが、
  普通若い人ってそういうの露骨に表現するのって恥ずかしいと思うんですが?
A.恥ずかしかったですか? あーぼく結構恥ずかしくないです。
  この年(27)になると素直に母親とかに感謝してるって言えますよ。

Q.感情に訴えるというより、身体感覚に訴える感じがしたんですが、
  撮るときはそういう感覚を特に意識したりしたのですか?(私)
A.その場のテンションを大切にしたっていうのはあります。
  加瀬(亮)くんなんかは特に練習段階のテスト(本来はカメラを回さない)のときにも撮っていました。
  結局使ったのはほとんどテストの時のです。
  Q.真治の考えていることにはすごく共感できました。ああいう役つくってくれてありがとうございます。
  A.あーほんとですか?真治に共感て変わってますね。真治の台詞は全部僕が書いたんですよー!

Q.ゲロを、それ自体を映したのは何故ですか?何故汚いものなのに輝いていたのですか?
A.あなた(質問者:私の友達)はゲロ吐いたことありますか?
  Q.あります。
  A.その時どんな気分でしたか?吐いたあと。
  Q.もうスッキリしました。
  A.でしょ?それを表現したんです。

Q.ヤクザ役が普通の映画にでてくるヤクザっぽくなかった(普通の人間ぽかった)のは何故ですか?
A.僕の知ってるそういう職業の方はみんなそれぞれやっぱり人間だし、普通の感覚もちゃんとあるし、
  別にヤクザだからといって特別な言葉使いしてないですよ。
  あと登場人物みんなに愛着があるから、誰か特定のヤツだけただ悪い人とかにできないんです。
  みんないい部分がでてきちゃう。

Q.わたしは小説を書いてるのですが、短編しか書けなくて、友達にも「短編としておもしろいけどこれ長編にはできないよね」
  って言われます。伊勢谷さんは今まで短編作品をいくつか作っていて、今回長編初めてつくってみて、
  その違いってどうですか?「カクト」は長編としてしっかり楽しめたんですが。
A.ありがとうございます。嬉しい質問ですね。短編映画って核のアイデアにさえ愛情持ってればつくれるんですけど、
  長編はその核はもちろん、それを包む細かいたくさんの部分にも愛情持ってないとできないです。

Q.屋上で男の子3人が話してるのが凄く自然で大好きだったのですが、あれは脚本の言葉ですか?
A.屋上シーンは2つありますよね。ひとつめのところは、僕が各役者さんに「相手に何を訊いてみたいか」という質問をして
  メモにいっぱい書いてもらって、でその中から訊いてもらうことを決めておいて、訊かれることは教えないで、
  撮り始めるということをしました。だから初めてその質問を訊かれて、それに答えているので、
  そのときの動きは全部生です。作ってないです。やりとりが自然だったのは、
  撮影中よく話すようにしててかなり仲良くなったからです。今も連絡とりあいますよ。
  二つ目のシーンは完全に脚本通りです。

Q.海外の映画祭にも出品なさったそうですが、反応はどうでした?
A.正直、映画祭の期間中、夜遊びしまくって記憶があまりないんです。
  ただクラブとかで、同じ世代にいろいろ訊かれたなっていうのは感じています。
  あ、「登場する女の子の役の比重が少ないのはなぜか?」って言われました。
  それは、僕が女の人をよく知らないからですね。知らないのに描けないので、
  今回女性には失礼かもしれませんが、女の子=天使とbitchと悪魔 って役割で
  極端に表現してます。

Q.ラストの持っていき方がすごく好きだったんですが?
A.ね。ハッピーですよね。あれは主に亀石(合同脚本)が書きました。亀石はわりとハッピーなことを書いてきて、
  この映画のスイートな部分は全部彼が書いてます。スイーツ亀石です。

Q.二作目の構想ってもうありますか?
A.あるにはあるんですけど、「言うな」っていわれてます。内容だけみれば今回の『カクト』とは全く違います。
  でもその目指す地点ていうのはやっぱり「カクト」って言葉に込めた理想なので、内容は全然違うし、話も続いてないけど、
  『カクト2』というタイトルのつもりでいます。三作目は『カクト3』にしたいです。やっぱ目指すのはそこです。 


 あ〜他にもいろいろ言ってたけど・・・時間と記憶の限界だ!ごめんね。
  もし思い出したらこっそり増えてるかもしれません。


みんなぜひ見てね!わたしは前売り買った!また見る!

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