私が聴いたアルバム を紹介!

0040 Mulgrew Miller / Live At Yoshi's Vol.1

05.11.05

<list>  

オークランド、カリフォルニアの「Yoshi's」でのLIVE。トリオでじっくりやってます。

<personnnel> Mulgrew Miller (p)
Derrick Hodge (b)
Karriem Riggins (ds)
 
 
 
[お薦め度] ☆☆☆☆☆☆☆
 

 ある意味懐かしくなってしまったこの名前を久し振りに見て思わず聴きたくなってしまいました。
 マルグリュ−と云えばやはりトニ−のバンドのピアノと云う印象が強く、その公演をブルーノートに観に行った時の演奏の記憶や190もあるような大きな姿から、イカツイプレイな印象を持ってたのですが、このアルバムを一聴した時は「あれ!?」っ
と拍子抜けするぐらい繊細で細やかなタッチでした

 1回最後まで聴く間は「こんな人だったっけ?」と云う疑問がずっと頭の中で渦巻いている状態で、思いのほか豪快さの欠片も感じられないプレイに多少失望していまい、しばらく脇へ置いておく状態が続いていました。
 しかし、改めて聴いてみると、なるほどこの人はこういうプレイがしたい人なんだ!と云う事が分かって来たように思います。つまり姿やそれに伴うサウンドのイカツサはトニ−のバンドが欲したサウンドであって、彼本人の好みはそれだけに止まらない… と云う事なのでしょう。

 そう思って先入観なく聴くと実にいいアルバムです。彼は本当に繊細で何度も云うようですが体格とは似ても似つかない細やかさが随所に見られます。スタイル的には確立したものを持ってますし先人に似てるって訳でもないんですが、強いてその底に流れてる系譜を云うならば、ガ−ランド→ケリ−→ミラーってな感じでしょうか!? そっくりそのままなところはこの3人にないですが、その中のコロコロ感はまさに繋がっている、と思わせられます。

 選曲もバラエティに富んでおりWoody Shaw やHorace Silver 、スタンダードと、最後にアップな格好いいオリジナルもやっています。メンバーは私の未熟な知識では知らない方々ですが、これが2人とも上手いのなんの。しっかり無駄のないコール&レスポンス聴かせてくれてます。
 このライブ盤、好評だったようでVol.2 も出ています。早く2枚目も聴きたい!もんです。

 

 


0039 ANTONIO FARAO / ENCOLE

05.10.05

<list>  

CAMJAZZと云うレーベルからは、この前の亡きボブ・バーグとの録音に続く2作目。FARAO がもつTender 系節回しとでも云うかとても聴きやすい作品です。

 

<personnnel> ANTONIO FARAO(p)
MARTIN GIAKONOVSKI(b)
DEJAN TERZIC(ds)
 
 
 
[お薦め度] ☆☆☆☆☆
 

 初めて知ってから何かと注目しているピアニストの最新盤。
 しかし今回はハードな部分をグッと堪えた、ヨーロッパの香り溢れる叙情的な面を表に出した内容です

 これまでも必ず泣きのスローやミディアムナンバーを1枚のアルバムに1曲は入れてましたが、今回はその路線を全体の2/3くらいにまで広げたような内容で、enja のアルバムに見られた硬派な FARAO を期待して買った場合には少々気抜けする感はいなめません。アルバムのトータルなイメージも澤野盤からここまでの流れで、ある意味ひとつのスタイルを確立してしまった感が今作ではさらに強まった気がするので、今後はいったいどのような変化、あるいは展開を見せてくれるか、が期待されます。

 考えてみると、あんなに聴いたのに、この人の私のお気に入りの enja での2作(ディジョネットとの共演盤と、ジーン・ジャクソンとの共演盤)を紹介し忘れてるようです。この2作は聴きどころ満載ですんで、また折を見てアップしたいと思います。

 と云う事で、この作品は優しさ溢れる作品で、ジャズ初心者や秋の夜長をオシャレに過したい女性が聴いてもかなりハマると思われます。数回東京にも来日してるようで「tokyo」なんて曲もあります。
 最近ライブを観に行かなくなった私が、1度は見てみたいと思う数少ない1人ではありますんで、今より売れ過ぎない次回の来日ぐらいで適当な値段で大阪にも来てくれたらなぁ〜と思っておる次第です。

 

 


0038 Vicki Anderson Anthology / MOTHER POPCORN

 

<list>  

J.B.'s の歌姫であり、J.B.の右腕であったBobby Byrdの妻でもあります。これまでシングルはリリースされたが、アルバムが正規盤として発表されるのは初!パワフルでソウルフル、そしてプロデュースはもちろんJ.B.と云う事です。

<personnnel> Vicki Anderson (vo)
 
 
 
 
 
[お薦め度] ☆☆☆☆☆☆☆
 

 ま、通常のコテコテソウルやろうな… と思いながら聴いてみると、案の定その通り!ではありましたが、それがなかなか色んな曲が入っていて楽しめます。
 例えばJBナンバー、これは王道ですが、JBとのヂュエット
。一聴新鮮ではありますが、やっぱ当然JBには叶いません、ひとたびJBの声が聴こえると忽ち持って行かれます… ま、しゃあないわねぇ。

 その他ではカバーが豊富で面白い。
 例えばチャカ・カーンの名唱で知られる「Once You Get Started」、アレンジはほとんど同じだけど、チャカとは一味違う力の入れようは面白い。後サム・クックの「You Send Me」とかもやってます。

 しかし、そんな中のカバーの極め付けはギル・スコット・ヘロンの「Home Is Where The Hatred Is」です。これはWith Bossa Nostraとなっていて、どうもアレンジ云々はこの人等がやってるようです。このアレンジも決して新しくはないんですが、他の曲が古いのでやたら新しく感じます。以前「diary」に取り上げた時に音飛び云々の話をしたんですが、聴き込むにつけ別な理由が考えられるようになってます。それは、この Bossa Nostra が以前にこのアレンジでなく Vicki と同じ曲をやってる事です。つまりその時のボーカルを切り貼りして今回のトラックに載せたんではないか!?と云う事です。つまり「diary」を書いた時点で音飛びと思われた箇所は、その切り貼りの無理な部分が気持ち露呈した… と考えられると云う事です。で、そう思って今回のトラック全体を聴くと、問題の箇所以外にも何となく不自然かな?と思われる箇所がなくもないな… と思われるのです。ま、そうは云ってもまだ検証してないんで近々確かめてみたいと思います。
 しかし正直このアレンジ、ギル・スコット・ヘロンも参ったでしょう。

 その他今回改めてしっかり聴くと中でも「You're Welcome, Stop On By(Duet With Bobby Byrd)」は、やっぱりかなりいいです。歌もそうですが、サビのベースラインは実にすばらしいですし、中でも一番地味ではありますがギターのカッティングは刻むリズムといいコード感といい申し分なし!です。
 
 と云う事で久し振りにゴリゴリのファンクを聴きました。

 

 


0037 Screaming Headless Torsos / 2005

 

<list>  

2004年のアルバムです。
あの名曲「just for now」の2nd take なるものも入ってます

<personnnel> Dean Bowman (vo)
David 'fuze' Fiuczynski (g)
Fima Ephron (b)
Daniel Sadownick (perc)
Gene Lake (drum)
Freedom Bremner (sp.guest vo)
[お薦め度] ☆☆☆☆☆☆☆
 

 いや〜、2005年一発目がこのアルバムとは、何ともいい気分!であります!
 例によって「何ぞないかいな〜?」とブラついてますと、ズラ〜っと並んだ中に変なジャケット発見!よ〜く見ると「
Screaming Headless Torsos」と書いてるやないですか!早速試聴、即購入!です。

 メンバーはこの前のライブ盤とほぼ同じ顔ぶれ、凄腕揃いです。
 各々の曲についての細かい説明は今回「やめ!」です。せんでも間違いない!っす。
 アップテンポの曲は、相変わらず恐ろしいテクニックを覗かせながらも遊び心満載!正直笑ってまいます。そしてバラードは本気モード全開!1度聴いただけでは予測できないコード進行(決して変な進行ではないです)ですが全く違和感を感じさせず、何度か聴けば、その展開にハマります。アップでいつもフザケタ歌い方の Dean Bowman (vo) もバラードではヒタすら気持ち入りまくりで、わたしゃ落涙しきりです…。ほんとふざけんでも充分上手いのに、ま、知ってやってるんでしょうが…。

 でバンドはと云うと、David 'fuze' Fiuczynski (g) の上手さと多才さは当然光ってます、今さら云うまでもないです。Gene Lake (drum) はンデゲのBlue Noteライブ時に生見ましたが、でっかい音で細かい技、そして堅実なビートとタメ、文句なし!です。そんな中で一聴地味なんですが、無茶苦茶いい仕事してるのが Fima Ephron (b) です。サウンドのポイントをしっかり抑えたフレーズや音使い「よく考えられてるな〜!」と感心させられます!録音とかで考えたものを出そうとしすぎると、どうしても不自然になったりしがちですが、この人の演奏にはそんな印象を受けません!ま、個人的にはもう少しやんちゃなとこあっても良いのにな〜とは思いますが、なんせガッチリ下から支えてます。他のメンバーが目立ってますが、敢えてこの人に注目する価値は充分に有るといえます!
 早く来阪せんかな〜〜〜!ああ待ち遠しい!
 
 でも真摯なハードロックファンには喧嘩売ってるような気もしないではないけど…(^ ^)

 

 


0036 Keith Jarrett / up for It

 

<list>  

2002年7月のフランス、アンティーヴ・ジャズ・フェスティヴァルにおけるライヴ演奏を収録した「結成20周年記念盤」
『マイ・ファニー・ヴァレンタイン』『いつか王子様が』『枯葉』など、有名曲が満載。

<personnnel> Keith Jarrett (p)
Gary Peacock (b)
Jack DeJohnette (ds)
 
 
 
 
[お薦め度] ☆☆☆☆☆☆☆
 

 遅ればせながら「up for it」
 あちこちのサイトに書込まれてるレビューを読むとおもしろい、諸手を上げて大絶賛してるのもあれば、マンネリ化を嘆くのもあり、ほんと聴く人によって音楽は多様な反応を生みます。

 で「そういうあんたはどうなん!?」って事ですが、率直に「いい!」と思いましたよ。これより発売は新しいけど、録音は2001年の「アウトオブ…」が出てから聞く一部の評価で「やっぱ病気前のがすばらしい…」なんて話を聞いたような気がしますが「んなこた〜ない!」病み上がりの本作も立派にイキチギッテはります!

 マンネリ!?そうかも知れません。しかし20年でしょ!?どんな人らでもそんだけ続けばそう言われてもしゃーないっしょ!?「マンネリかスタイルか論議」は、ある意味「玉子か鶏か論議」に等しいとも言えますしね…。要はこの人らの演奏が好きかどうか?ですよね…。
 長く活動をしてるバンドには、「オリジナルをもっと聴きたい!」とか、その他色んな注文をしたくなるのも道理やし、実際今回見た書き込みにもその手の意見は多く見られました。でも一見そう言うのってただの文句に思いがちやけど、それは「彼等が好き」って事の裏返しやったりするしね…
 それはそうとして、ぼくなんかは、なんかハイセンスな演奏のみが尊ばれがちな昨今、トップでこんだけある意味ドロドロにやってくれてるのは、リスナーとしてはもちろん、おこがましいけど演奏する時も、非常に励みになる訳です。
 それと「うなり声が…うんぬん」てな事も、うなり声、観客の咳ばらい、イスのギコギコ音、ぜ〜んぶ引っ括めてLIVEっすよね!誰かに聞いたか何かで読んだか忘れたけど、マイルスはライブをテレコとかで録音した「雑音も一緒に入ってるのがいい」って言ってたって。
 だからって雑音の方が大きすぎるのはかなわんけど、楽器を奏でる上で生じる音(ギターで言えばピッキングの音や、サックスで言えばタンポの音やったり、演奏者の必然的な息遣いとか)はもちろん、その他演奏者が演奏時に生じてしまう音については雑音と思わないし、それがない方が不自然でしょ??
 会場の雰囲気まるごとパッケージ!が、LIVEですもんねぇ…

 


0035 Rh Factor (Roy Hargrove) / Strength EP

 

<list>  

 前作『Hard Groove』の未発表曲を収録し、6曲中5曲がインスト・ナンバーのアルバム。2002年1〜2月、NY「エレクトリック・レディ・スタジオ」で録音。
 トランペッター、ロイ・ハーグルーヴが持つ幅広さを示す作品。

<personnnel> ロイ・ハーグローヴ(tp,flh,b-vo,arr)
オマー(vo)
カール・デンソン、キース・アンダーソン、ジャック・シュワルツバルト(sax)
ジェームス・ボイザ、ボビー・スパークス、バーナーヂオ・ライト(kb)
スパンキ−(g)
ピノ・バラディノ、レギー・ワシントン(b)
ウイリー・ジョーンズ三世、ジェイソン・トーマス(ds)
[お薦め度] ☆☆☆☆
 

 お洒落っすねぇ〜!ロイはん!
 と、そんな言葉がしっくりハマるこのアルバム。収録曲は6曲だけどトータルで45分と充分な中身。
 ペットやサックスに生音のみでなくエフェクターをかましてみたり、コード的には一定の展開が多いけど飽きさせない色んな仕掛けが施してあったり、本格的ボーカルスタイルの曲はないけどコーラスを巧みに使ってたり、さらにクラブなミックスがあったりと、ほんとよ〜〜〜〜く考えられていて、このあたりの全てのジャンルの人をガッツリ掴む作りには、ただただ脱帽であります。

 前回のブルーノートライブもすごく良かったし、これを加えた内容でもう一回やってくれんかな〜!と思わせられます。あの心地良い走りをもう一度味わいたい…のであります。

 よしんばそれが叶わぬならば、ライブ盤でも出してくれたらいいやろうにねぇ…。とそんな事を思いながら、これを聴いて、事が実現するのを期待したいな〜と思います。
 

 


0034 Herbie Hancock / V S O P - Live Under The Sky

 

<list>  

 1979年7月26、27日、東京「田園コロシアム」で録音されたVSOPライヴレコーディング完全版!未発表の27日の演奏がCD1枚9曲(内アンコールの2曲は既出)分として追加収録された。

<personnnel> herbie hancock (p)
ron carter (b)
wayne shorter (sax)
tony williams (ds)
 
 
 
[お薦め度] ☆☆☆☆
 

 いや〜!出ましたね、いつかは…と思ってましたが、このタイミングですか。
 ちょうどひと月半頃前、友人で「ハービー探究者」のK氏宅にお邪魔し、それまで出ていた「田コロ」に未収録だった eye of the harricanen が追加された日本盤「ニュー田コロ」を中古屋で見つけた!と言う事で、ショーターのある意味フザケ過ぎとも言える繰り返しソロを聴いて大いに笑わせて頂いたばかりでの今回の発売に、何らかの因縁めいたものを感じずにはいられない今日この頃…
 まずは以前のアルバムをじっくり聴きかえす事から始めようと思い、当時のアルバムのオビの文やライナーを読み返し、今や伝説と言われるこのライブに改めて臨んだわけです。
 こういった場合よくある事ですが、すでに伝説とまで言われてることや、ここに来て読み返したライナーなどで頭でっかちになり、イメージや期待がつのったままワクワクしながら聴いたため、聴後感は「ん!?」と思う「軽い落胆」に似た感覚を抱く事となってしまったのです。

 そしてその感覚は『なぜDisc1がマスターテイクとして発売され、Disc2がお蔵入となったのか?』と言う疑問となり、「一体2日間のどちらの演奏がいいのか?」と言う思いに発展し、しばらくの間はその思いと向き合いながら聴き続ける事となりました。
 その結果得た見解としては、サラリと流した感じでは、Disc1は演奏者の曲の解釈と言う点でDisc2に劣るように思われ、反面Disc2はお蔵とは到底思えない好内容で、Disc1がいかに悪天候な状況が神がかっていたにしろ、果たしてマスターテイクとする価値が本当にあったのか!?と思わせられました。
 ところが、いざ本稿を書く頃には「この両日の演奏に甲乙をつけるという事自体に無理がある」と思うようになっていました。確かに1回やそこら聴いた印象では、上のように思うところもあるのですが、2枚のDiscをじっくり聴くと印象は一変します。

 つまり、Disc1は確かに多少の雑さが伺えますが、しかしそれを含めた全体の緊張感はどうでしょう、聴けば聴くほど尋常じゃないものがそこにあるように思えます。その上、大雨という自然の効果と初日の緊張感もそこに含めると何とも言えない物凄いものが醸し出されているように感じます。正直今はむっちゃ映像が見てみたくなってます!
 そしてDisc2では、前日よりもさらに演奏者それぞれの解釈が深くなった好演が(前日ほどではないにしろ)すばらしい緊張感を伴い展開されていると感じます。
 
 ゴチャゴチャ言ってきましたがそんな事はさておき、フレディーは絶好調ですし、ショーターは「ショーターショーターした」ショーター節が炸裂しまくりやがってますし、ハービーは今のタッチよりは昔に近いコロコロ感で弾いてくれてるのも嬉しいし、ロンはビヨ〜〜〜ン、ビヨ〜〜〜〜〜ンと例によってネックの上から下まで長い指をスライドさせてくれてますし、トニーが必要以上にボカスカジャン!なのも往年を偲ばれます。
 とまあ、そんな画をイメージしニやリとしながら聴ける、実にい〜〜〜〜アルバムを出してくれたもんや!と素直にそう思うのでした。

 


0032 早間美紀 / Vibrant

 

<list>  

 早間の待望の初リ-ダー作品。「横浜ジャズプロムナード」の記念CDで早間を聴いて待っていたファンには待望の作品となった。本作は2003年12月13日と2004年1月3日、年を挟んで「System Two Studios」Brooklyn.Nyで録音された。
 ケニー・ギャレットとの共演が多い早間だが、ここでは女性トリオを基本として、NYで話題を集めつつあるショーン・ジョーンズ(tp,flh)と女流サックスで現在は大学で教鞭を執るハンサム・ウーマン、ティア・フラーが4曲に加わる。女性4人男性はショーン一人というバンドの演奏だ。

<personnnel> 早間美紀(p,rhodes)
Miriam Sullivan(b)
Kim Thompson(ds)
Sean Jones(tp=2,7,8)
Tia Fuller(as,ss=1,2,4,8)
 
 
[お薦め度] ☆☆☆☆
 

 正直ジャケ写&日本人と言う事で最初は見過ごしてたんですが、京都出身、大阪音大(ここの出身者にはよくお世話になってますしね)と言う経歴もあって、なんとなく手に取ってみた訳です。
 そういう構えて聴かなかったのが良かったのか、これがなかなかいいのです!
 演奏は
<list>にもあるように、ほぼ女性な事もあってか、よく聴くと端々が繊細です!早間氏も確かなテクニックに裏打ちされた好演奏だし、ドラマーもテリリンが若かった頃のように上手いっす、これからもっと良くなりそうなそんな気配があります。もちろん他のメンバーも言うまでもありません。
 そして曲がよく考えられてます。オリジナルもおもしろいし、カバーもなかなかなアレンジが施されていて聴く側を飽きさせない、そんな内容になってます。ローズでの演奏や8ビートもやってます。日本では若手女性ピアニストが大人気ですがルックスも含めてその一角に入ってきそうです!

 1曲目は「McCoy」テーマの始まるあたりのバッキングは明らかにマッコイを意識させられますし、テーマも日本人らしからぬメロディ、そしてこの疾走感、いいっす!
 
2曲目は「Chelsea Bridge」スタンダードですが、コードの付け方が面白いです、演奏する側はちと大変ですが…。
 3曲目はブルージーに「The Pear Tree」ここではピアノとベースのリフのユニゾンが唸らせます。
 そしてシメにはトリオでオーネットの「The Blessing」このへんの選曲も憎いです!10曲中6曲がオリジナルと気合充分です。
 日本人のデビューアルバムで最初からビッグネームと組んだアルバムでないのも珍しいと言うことで、そこにも気合が感じられます!

 余談ですが、昔は関西のライブハウスでも演奏されてたようで、その頃はそんなに話題になってなかったようですが…。これを聴くと完全にメインストリーム漬けになってる感じでニューヨークが彼女を一変させたと思われます(もしくはギャレット個人が一変させたんやったりして…)。そういえばG・オズビーのライブ盤にも日本人の女性ピアニストがクレジットされてましたが、この方はどうなんしょ???
 ということで、ライブ&次回作に期待!であります。

 


0031 David Murray & The Gwo-ka Masters featuring Pharoah Sanders / Gwotet

 

<list>  

 最近とみに自分のビッグバンドやW.S.Q.などと忙しく活動する、サックスプレイはもちろん作編曲もすばらしいデビッド・マレイの新譜。キューバ系ホーンズを従えたその演奏の盛り上がり方は、ある意味異常…かも。

<personnnel> david murray (ts)
pharoah sanders (ts)
herve sambe (g)
jaribu shahid (b)
hamid drake (ds)
他9名
 
[お薦め度] ☆☆☆☆
 

 いや〜イカツイアルバムです
 デビッド・マレイと言えば、異様にうまくって、そしてその音楽が(WSQしかり)かなり深いので数枚勉強させて頂いて「ごっつあん…」と言う気持ちに正直なってました
。その上さらに今回はファラオ・サンダースと来てるので、呼吸困難も必死…と思ったんすが、いやいやこれが『超格好いいっす!』
 とは言っても一般のリスナーには「きついかも…」とも思いますが、マイルスのアガパンとかよりは聴きやすく、でもやっぱり、いかつ系ゴリ押し音楽が多少聴ける方にお薦めではあります。まあ、必死に聴かずリズムに任せてあまり考えずに聴けば身も心も踊る逸品です

 メンバーの詳細はわからない(どうもキューバ系の人等のようです、上手いす)ですが、編成が14人というビッグバンドチックな編成なのもゴージャスですし、リズムが8ビートからヒップホップ調の重めのものあり、サンバもありと、全体を通しての疾走感もすばらしいです!
 で、そういった大勢のミュージシャンをバックに、デビッドとファラオ御大がブローしまくります!もう1人よくフィーチャ−されてるかなり枯れたギターもいい感じです。

 こういう、スタジオにも関わらず大ブロー大会!!のものに出会うと、日頃ライブとかで自分が吹きすぎな気がして、いつも反省してるのがアホらしく思えます。また、いちリスナーとしても聴いててスッとするし、気持ちが解きほぐされます!!
 しっかし、それにしても熱い! 熱すぎます!近所も巻き込んで大音量で踊りましょう!!!

 


 

next