バンドマスターの愚痴


その1 吾が音楽人生の巻 

その1の15、登場「坊さんバックスピン」


相原勇サンの「次のバンドはこのバンドだいっ!」の声に続いて
障子の後ろからライトが当たり、シルエットが浮かびます。
我々は千手観音を模して、一列に並び、両手をあちこちに広げてみると
スタジオから「おぉ〜っ」と歓声。
軽妙な紹介ナレーション
“エントリーナンバー5番、嗚呼、迷えるバンドマンの元に救いの手は差し伸べられたのであります。
何と、全員が本職僧侶の坊さんバンドがやってきた。
全国各地のお寺から集まってロックを奏でるそのココロは
「僕らの音楽聴いた人は、皆極楽浄土や、楽しや 嬉しや なんじゃこりゃ」
その名もズバリ、坊さんバックスピン!嗚呼、有難や有難や”
(「」内のみ、君ちゃんが考えたものを提出していた)

普段着で登場した我々に三宅さんから矢継ぎ早に質問が飛びます。
「皆さん本当にお坊さん?」
「あぁ、何んか声もすごいねぇ」
「じゃ、ちょっとお経みたいなものを」
「皆さん、お坊さんの学校で知り合ったんですか」
何んて質問があって、それなりに受け答えしてたんですが

「お寺には、御住職さまもいらっしゃる訳ですよね、
 御住職はバンド活動に対して何んておっしゃっておられる?」
の問いに
「今勤めているお寺の御住職が相原勇さんのファンで、
 お土産持っていってサイン貰ってきたら許してやる、と」(=ホントの話)
三宅さん「生臭坊主ですね〜」(爆笑)

「じゃぁ、ちょっと、聴いてみましょうか。お坊さんのバンド、どうぞ」
で、夕方収録したVTRが流れる。
我々は、いつ赤ランプが灯ることかとヒヤヒヤしていたのですが
これを救ってくれたのが、「アース、ウインド&ファイターズ」の面々。
とにかく、我々のちょっとした仕草にも大ウケで、大袈裟に笑ってくれる。
スタジオ内の他のバンドやスタッフもつられて大笑い。審査員も大笑い。
結果、皆が笑ってるあいだに演奏が終わり「完奏」してしまいました。

清水ちなみさんには「りゅうどうサンはポパイのオリーヴに似てますね」だの
佐藤孝信氏には
「みんな、違う色やカタチの着物(僧衣)なんだけど、全体まとまってて、良かったですね」
だの、不思議な感想が述べられますが、ついには三宅さんが
「えー、ここまで色々聞いてきましたが、音楽的な意見が全くないんで」(爆笑)

で、ナルチョ(鳴瀬喜博氏)が、
「トロンボーンってのは凄いよね。でも、歌詞が怖いんだよね、
何かお寺で不満な事があったんじゃないかと」
すかさず田中一郎氏「いやぁ、赤ランプ押したらバチが当たると思ったでしょ」(爆笑)

大盛り上がりのうちに出番を終えたのでした。めでたしめでたし。。。



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