イェール大学CFOに学ぶ投資哲学



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運用・販売サイドに読んで欲しい本

 日本ではゼロ金利のために外債投資や外債投信が流行しているが、本著では外債は非コア資産として運用の主軸にするものではない旨明記している。このように、日本の個人投資家からすると常識に反したコア資産(メイン運用資産)・非コア資産(スパイス的な運用資産)の分類が理路整然と説明されている。運用・販売サイドの人間は一読して自分達の商品が顧客の目的や立場に沿って運用・販売されているか再検討する必要があろう。
 基本的には、投信やプロの運用には味噌糞のメッタ斬りだが、アクティブ・インデックス・公的運用についても模範例を提示してくれている点がプロ・アマ問わず参考になる点だ。彼らの運用哲学・コスト・パフォーマンスの実例は具体的に参考になる。
 またインデックスやETFについても賛美だけではなく、まがい物が混入してきている現状に警鐘を鳴らしていることは傾聴に値する。
みんな投信に食い物にされている。

投信(ミューチュアルファンド)の実態について、ここまでちゃんと調べて、合理的な批判を加えている本はいままでなかったのではないだろうか。だから、多くの個人投資家がほとんど何も考えずに、投信にお金を預けているのだろう。それがいかに愚かなことで、投信会社や証券会社にどれだけ資産をかすめ取られているのかが、この本を読むとよく分かる。日本では投信が郵便局や銀行で手軽に買えるようになり運用残高も飛躍的に伸びているが、手数料や税金やその他の投資コストのことを考えると、たとえ運用利回りが良くても、投資家の手元にほとんど残らない可能性が大いにあるのではないか。投信投資家は、そのあたりの数字までちゃんと考えて資産を預けないと後から泣きを見ることになるのだろう。
投信は買わない方がいい

 適切に分散された株式のポートフォリオは長期運用に適していること、株式でアクティブ運用される投信はコスト的にも運用成績的にも買わない方がいいこと、この2点については共感できる。
 特筆すべき内容は特にないが、真面目。



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