2001.7.7 “ソロコン” 下北沢shelter

『殺してプリーズ』

(誠に勝手ですが、今後レポではメンバー名敬称略で)

正直驚いた。
「ソロコン完売」である。
なぜ俺が、という気もするが始まる前から感無量であった。
『reprise』レコ発を兼ねた初のソロコン。
新譜に対しての色々なリアクションを聞いていた。
今までのロックバンドとは違うこと=脱ロック?
今回の作品は音源とライブを別のものと考え作ったもの。
でも答えはきっとライブを観ればわかる。
目で見て、耳で聞き、己の身体で感じたもの、それが全てだろ?

新譜の曲(今までライブで演奏されていない曲)がどう演奏されるのか、
あのアルバムの音像はライブでも再現されるのか、
ほとんどのライブに足を運んでいる人間の視点からの意見なのかもしれないが、
いつもの54を観に行く感覚とは違っていた。
変化を期待していたのかもしれない。
と同時にいい意味で裏切って欲しいという変な気持ちも。
54はまだまだこんなもんじゃないと、いつも思っていたから。
その気持ちは、新譜を聞いて、
54の変態的(あえてこう言う)進化をこの耳でしっかりと確信。
4人の異形を、常人には到底理解し様のない、
底なし沼のような54ワールドに溺れたかった。

開始30分前で既に場内は満員すし詰め。
54だけを観るために集まった群衆の眼が、そして数多くの妄想が
「シンボル」が無言の主張をするそのステージ上に集中する。
19:30スタート。
やはり54は54であった。
さらに殺傷力を高めた4人がそこにいた。
早く殺して欲しい、そう心から思った。

1曲目は『reprise』のオープニング曲illmatic vigor。
専門的なことはわからないが、一段と鋭さを増したスネアの音が突き刺さる。
ボボのドラムの音が変わったらしい。
打ち込み系の音色というよりは、より殺人的に。
勘弁してくださいというぐらい「痛い」音。
いじめられてニヤニヤしてる俺も含めてみんなマゾ。
あの、静寂のテロリストとでもいうべき、
アルバムでは意図的に音が絞られていたスカムギターであるが、
ライブにおいては「動」モード率高し。
「戦慄の不動明王腕組み」「7本目の弦によるノイズ攻撃」
などの新技も飛び出し、 男気な自己主張健在。
そしていつになく大きなリーダーの背中。
思ったんだけど、あれで正面向いてたらステージを見れなそう。
だって恐い。(すまん)
背中に色んな表情が見えるっていたら大袈裟だろうか。
俺のリーダーのイメージは「怒」「苛立ち」。
前方では鼻水が途中で枯れてしまうほどビンゴがいつになく会場を支配する。
これだけ表情豊かで、あれだけ動き回って、 なんであんな声が維持できるのか。
感動的ですらある。乱舞・乱舞・乱舞。
今回は気付くとステージでのた打ち回っていた。
これも主張である。

単純に嬉しかった。誇らしかった。
54は54であって。そしていつもの54よりさらに逞しかった。
これが素直な感想。
トータル約70分、休憩無しの真剣勝負。
最大の山場は以前までのラスト曲revealのあとに演奏された
hardgaye season。 『reprise』の中で最も54の新境地を表した名曲。
圧巻。
白目(?)、精神世界、バッドトリップ、逆回転・・・
どうにもうまい言葉がみつからない。
これはあなたが体験してください。合掌。

アンコールはいらない。ていうか絶対反対。
なぜならその日のステージは、そこで完結したのだから。
ステージ終了後4人がステージ上で見せた笑顔が印象的だった。
文句無し。
ロック(54-71)はまだまだ進化している。

「やっぱり生が好き」

END

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