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第1話
人類の危機!宇宙基地大爆発

            
 1999年、すでに人類は月面にムーンベースアルファを築き、宇宙探検に乗り出していた。同時に月面の裏側は、地球からでる不要な核物質の廃棄場にもなっていた。
 1999年9月9日、アルファの指揮官として赴任したジョン・コーニッグ中佐の最大の仕事は、惑星メタへの第2次調査隊派遣であった。しかし探検隊員が放射能漏れの調査中突然謎の病気を発病し、9名が死亡したことを知る。原因は伝染病と報告されるが、症状は放射線による障害に似ていた。しかし、放射線が漏れたとの記録はない。コーニッグはバーグマン教授とともにイーグル宇宙船で調査にでるが、核廃棄第1地区から第2地区へと向かう途中、ナビゲーション・ビーコン・デルタを通過したところで、パイロットのコリンズが突然発病し、狂ったように暴れ出した。
 続出する発病者。しかし原因はわからない。ところが徹底した調査の結果、発病した者の乗っていたイーグルのフライトレコーダーに2分間の空白があることがわかった。場所はナビゲーション・ビーコン・デルタの所である。コリンズも発病の直前に同じ場所で低空飛行をしている。
 同じ頃、旧廃棄地区である第1地区で、急激な温度変化が発生。コーニッグはイーグルで急行するが、謎の電磁フィールドに阻まれ墜落。その時、第1地区で爆発が起こった。
 バーグマン教授の調査で、すべての原因が核廃棄地区に蓄積された電磁エネルギーであることがわかった。同じことが第2地区でも起こったらどうなるのか?最新の施設である第2地区には、第1地区の140倍の核廃棄物が蓄積されている。
 第2地区の電磁フィールドを調査すると、すでにかなりのエネルギーが蓄積されていた。コーニッグは緊急事態を発令、地球よりシモンズ・コミッショナーの出動を要請、連鎖反応を防ぐため第2地区の核物質の分散が始まった。作業中、電磁フィールドが急に強まった。連鎖反応が始まる。月面を閃光が覆った。
 この大爆発で月は地球の周りの軌道をはなれ移動を始めた。コーニッグは決断を迫られる。
 コーニッグの決断は、「月は急速に地球を離れている。今十分な飛行プランもないまま、宇宙に飛び出すことは自殺行為である。しかし、月には生活できる環境とエネルギーがある。生き延びるため、月に残ろう。」というものだった。
 1999年9月13日、ムーンベース・アルファは未知宇宙へ放浪の旅を開始した。


原題:Breakaway
本国(英国)では第1話。パイロット版として作成されたもの。
脚本:ジョージ・ベラック George Bellak
監督:リー・H・カッツィン Lee H Katzin
ゲスト出演
 シモンズ・コミッショナー : ロイ・ドトライス Roy Dotrice
 オーマ : ロン・サットン Lon Satton
 コリンズ : エリック・カーテ Eric Carte
 ゴルスキー指揮官 : フィリップ・マドック Philip Madoc
宇宙