毛倡妓―けじょうろう
ある風流士うかれ女のもとにかよひけるが
高楼のれんじの前にて
女の髪うちみだしたるうしろ髪をみて
その人かと前をみれば額も面も一チめんに髪おひて
目はなもさらにみえざりけり
おどろきてたえいりけるとなん

―今昔画図続百鬼巻之中・晦
川赤子―かわあかご
山川のもずくのうちに
赤子のかたちしたるものあり
これを川赤子といふなるよし
川太郎、河童の類ならんか

―今昔画図続百鬼巻之中・晦