文車妖妃―ふぐるまようび
歌に、古しへの文みし人のたまなれや
おもへばあかね白魚となりけり
かしこき聖のふみに心をとめしさへかくのごとし
ましてや執着のおもひをこめし千束の玉章には、
かゝるあやしきかたちをもあらはしぬべしと、
夢の中におもひぬ
―絵図百器徒然袋巻之上